風疹関連ニュース

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風疹を防いで 子どもが障害負った母親が訴え 2018年11月11日


風疹の患者数の増加が続いていますが、前回の流行のさなかに風疹に感染し、子どもが障害を負った母親が11日、学会のシンポジウムで講演し、「ワクチンさえ接種しておけば感染しなかったのに、という後悔は一生残ります。1日も早く流行をなくしてほしい」と訴えました。

ことしの風疹の患者数は、先月28日までに去年1年間の18倍の1700人近くまで増えていて、妊娠した女性が感染したときに赤ちゃんに障害が出る「先天性風疹症候群」の増加が懸念されています。

こうした中、日本小児感染症学会は11日、福岡市でシンポジウムを開き、国立感染症研究所の多屋馨子室長が、「風疹の流行で、毎週100人、200人という患者が報告されている」と患者が急増している現状について説明しました。

そして、6年前、妊娠中に風疹に感染し、長女が目などに障害を負った神戸市の西村麻依子さんが講演しました。

この中で西村さんは、「妊娠前にワクチンさえ接種しておけば感染しなかったのに、という後悔は一生残ります」と話したうえで、今の感染が、30代から50代の男性を中心に広がっていることを踏まえ、特に、この年代の男性に、公費でワクチンの接種を行ってほしいと訴えました。

そして西村さんは、「今も、私のように妊娠中に風疹にかかり、悩んでいる妊婦さんや家族がいるかと思うと、悔しさと悲しさでいっぱいです。1日でも早く風疹の流行がなくなるように、協力をお願いしたいです」と呼びかけました。

「公費でワクチン接種を」

シンポジウムに登壇した神戸市の西村麻依子さん(35)は、前回の流行が始まった平成24年、妊娠7週のときに風疹に感染しました。予定日より1か月半早く生まれた長女の葉七さん(6)は、心臓に穴が開いていたり、目の角膜に濁りがあったりして、「先天性風疹症候群」と診断されました。その後、心臓の状態は改善しましたが、目の視力は低く、今後も別の病気や障害が出るおそれがあるため、西村さんは心配しています。

西村さんは妊娠する前、風疹についての知識がなく、予防接種を受けていなかったことを悔やんでいます。このため、5年前、子どもが風疹で障害を負ったほかの母親らと患者の会を作り、小児科や産科関連の学会などに出向いては医師らにチラシを配って、風疹の予防接種の重要性を伝えるよう呼びかけてきました。

また、国に対しても、風疹患者の多くを占める成人男性に、公費でワクチンの接種を行うことや、そのためのワクチンを確保することなどを繰り返し求めてきました。

しかし、その後も、ワクチン接種の制度は変わらないまま、今回の風疹患者の増加を目の当たりにし、焦りや不安を感じているといいます。

西村さんは、「風疹はワクチンによって防げる病気なので、広く、ワクチンの接種をしていただいて、風疹の流行自体をなくし、守れる命を守ってもらいたい」と話していました。
風疹の患者 去年の18倍超
風疹の患者数は、1万人を超える大流行となった平成25年のあと、年に90人から320人ほどにとどまっていましたが、ことしは、先月28日までに1692人と、去年の18倍を超えています。

8週間連続で新規の患者数が100人を上回っていて、妊娠した女性が感染することで、赤ちゃんに障害がでる「先天性風疹症候群」が増えることが懸念されています。

都道府県別の患者数は、東京都が589人、千葉県が269人、神奈川県が233人、埼玉県が110人、愛知県が88人、大阪府が56人などと首都圏の患者が全体のおよそ7割を占める一方で、それ以外の地域でも数が増えてきています。男女別では、女性の305人に対して、男性は1387人と4.5倍で、男性患者全体の8割を30代から50代が占めています。また、女性では20代が最も多く、患者数は108人に上っています。