風疹関連ニュース

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都内の風疹患者 去年の32倍 2013年02月16日

首都圏を中心に大流行している風疹の患者が、都内では今月10日までの6週間で260人に上り、去年の同じ時期の32倍となっています。

 

専門家はこのペースで流行が続くと妊婦に感染が広がり、赤ちゃんに障害が出る可能性が高まるとして、妊娠を希望する女性や妊婦の夫などに予防接種を受けるよう、呼びかけています。

 

 

風疹は妊娠中の女性が感染すると、赤ちゃんの心臓や耳などに障害が出るおそれがあり、去年10月以降、実際に障害が出た「先天性風疹症候群」の赤ちゃんが全国で6人報告されています。

 

風疹は去年、関東や関西を中心に流行し、患者の数が過去5年間で最も多くなりましたが、ことしは、それをさらに上回るペースで流行していて、特に都内では、今月10日までの1週間に、90人が新たに報告され、患者数は6週間で合わせて260人に上り、去年の同じ時期の32倍となっています。

 

 

患者の8割近くが男性で、その多くが、子どもの頃に風疹の予防接種を受けていない20代から40代です。

また、最近は、20代の女性も増えていて、専門家は妊娠を希望する女性をはじめ、妊婦の夫や同居する家族で風疹にかかったことがなく、予防接種を受けていない人に対して、ワクチンの接種を呼びかけています。

 

 

東京都健康安全研究センター疫学情報担当課の杉下由行課長は、「風疹は春から夏にかけて流行する感染症なので、冬にこれだけ流行するのは異常事態で、妊婦に感染して子どもに障害が出るのが心配だ。ワクチンの接種が唯一の予防法なので、接種していない人は必ず受けてほしい」と話しています。

 

 

風疹の流行を知り、妊娠中の妻と生まれてくる赤ちゃんを守ろうと、早速予防接種を受ける男性もいます。練馬区に住む杉本 豊さん(39歳)の妻拓子さんは現在妊娠5か月です。杉本さんは首都圏で風疹が大流行していることをニュースで知り、予防接種を受けたことがあるかどうか、自分の母子手帳で確認したところ、受けた記録がありませんでした。

 

杉本さんの子どものころは、風疹の予防接種の対象が中学生の女子だけだったため、予防接種を受けていなかったのです。杉本さんは「妊婦が風疹に感染すると赤ちゃんに障害が出るリスクが高いと聞いたので、これは早くワクチンを打たないと、と思った」と言います。

 

 

杉本さんは、すぐに診療所を訪れ風疹の予防接種を受けました。
妻の拓子さんは、「夫は仕事柄いろんなところに行くので、そこでうつってきて、もしかして子どもに何かあったらと思うと心配だったので、夫から『受けるよ』と聞いたときは安心しました」と話しています。

 

杉本さんは、同年代の友人に風疹が流行していることを伝え、予防接種を受けるよう呼びかけたいと話しています。

 

 

【感染拡大の理由】
なぜ20代から40代の男性に風疹の患者が多いのか。子どものころ、予防接種の対象ではなかったなど免疫がない人が多いためとみられています。

 

▼昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの現在50歳から33歳までの人は、中学生のとき、学校で集団接種が行われていましたが、対象は女子だけでした。

 

▼昭和54年4月2日から昭和62年10月1日生まれの現在33歳から25歳までの人は、男女とも中学生のときに風疹のワクチンを接種することになりました。しかし、学校での集団接種ではなく、個別に医療機関に出向いて受けることになったため、女子も接種率が下がりました。

 

▼昭和62年10月2日から平成2年4月1日生まれの現在25歳から22歳までの人は、男女とも幼児のときに接種できましたが、中には受けていない人もいて、こうした20代の人たちが今、感染しているとみられています。

 

▼現在は、免疫を確実につけるため、1歳と小学校入学前の2回、ワクチンを接種することになっているほか、今年度までの5年間は、中学1年生と高校3年生が無料で接種できるようになっています。
しかし、特に高校生の接種率が低く、無料で接種が受けられる措置が来月で終わるため、今後も免疫がない人が減らず、風疹の流行が繰り返されることが懸念されています。