風疹関連ニュース

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妊婦が風疹 赤ちゃんに障害 2013年02月01日

去年から続く風疹の大流行が止まりません。

こうした中、妊娠初期の女性が風疹になり、生まれた赤ちゃんに障害が出たケースが、相次いで報告されています。流行の現状や対策について、お伝えします。

 

 

【去年から続く風疹の大流行】。
風疹は、発熱や発しん(はっしん)、リンパ節が腫れるなどの症状が出る感染症で、患者のせきやくしゃみを通じて感染します。

 

 

去年の春以降、関東や関西を中心に大流行し、去年1年間の患者数は2353人と、すべての患者数を報告する今の統計方法になってからの5年間で、最も多くなりました。

 

 

ことしはその去年を上回るペースで患者が報告され、今月20日までの3週間に新たに風疹と診断された患者は154人で、去年の同じ時期の17人の実に9倍となっています。

 

 

都道府県別では東京が76人と最も多く、神奈川が19人、埼玉が15人、千葉が12人などと首都圏を中心に流行しています。そして最も特徴的なのは、患者の8割近くが男性だということです。しかもその多くが20代から40代。平成6年までは風疹の予防接種の対象が女子中学生に限られるなどしたため、子どもの頃に予防接種を受けていない人が多い年代です。

 

【妊婦に感染、赤ちゃんに障害6例報告】
風疹に最も注意しなければいけないのが、妊娠初期の女性です。妊娠初期の女性が感染すると生まれてくる赤ちゃんが心臓や耳、目などに障害が出る「先天性風疹症候群」になるおそれがあるからです。

 

 

赤ちゃんに障害が出る確率は、妊娠初期に感染するほど高く、妊娠1か月では50%以上、2か月で35%、3か月で18%、4か月で8%というデータがあります。去年10月から今月にかけて、この「先天性風疹症候群」と診断された赤ちゃんが6人いることが明らかになりました。

 

国立感染症研究所によりますと、赤ちゃんは、去年風疹が流行した大阪、兵庫、埼玉のほか、患者が少なかった香川からも報告されたということです。

 

国立感染症研究所の多屋馨子室長は「流行の地域以外でも妊婦さんが発症すれば赤ちゃんに影響が出ることがあるので、今流行していない地域でも注意が必要。風疹は通常、春先から夏にかけて流行するので、ことしは今後どんどん患者が増えていく可能性があり、赤ちゃんへの影響が心配だ」と話しています。

 

 

【確実な予防法はワクチン接種】
風疹は予防接種で防げる感染症です。しかし、風疹ワクチンはウイルスの毒性を弱めたもので、お腹の赤ちゃんに影響を及ぼすおそれがあるため、妊娠中は接種することができません。では、どうしたらよいのでしょうか。

 

東京・世田谷区にある国立成育医療研究センターでは、風疹の抗体が十分にないことが検査で分かった妊婦に対して、感染を防ぐため人混みを避けたり、マスクをつけたりするよう呼びかけてきましたが、今週からは、夫にも風疹の予防接種を受けてもらうよう呼びかけています。

 

風疹の患者の多くが、20代から40代の男性であるため、妊婦が夫から感染するケースを防ごうというのです。そして、妊婦に対しては、出産後、次の出産に備えてできるだけ早くワクチンを接種するよう求めています。

 

 

産科医長の久保隆彦医師は「夫から妊婦に感染するケースが非常に多い。今対策を打っておかないと障害の出る赤ちゃんがさらに増えるので、妊婦や赤ちゃんを守るために抗体が十分にない妊婦の夫は予防接種をしてほしい」と話しています。

 

風疹ワクチンの定期接種は現在、1歳と小学校入学前の2回行われているほか、予防効果を高めるため、中学1年生と高校3年生にも行われています。無料で接種することができますが、中学生と高校生の接種率が低く、このままでは今後も風疹の流行が起き、赤ちゃんに影響が出ると懸念されています。

 

【厚生労働省も注意喚起】。
厚生労働省も風疹によって障害がある赤ちゃんが相次いで生まれていることを受けて、通知を出しました。この中で、▼妊娠を希望する女性をはじめ、▼妊婦の夫や同居する家族で風疹にかかったことがなく、予防接種を受けていない人に対して予防接種を受けるよう、呼びかけています。

 

 

防げる病気で、これ以上多くの赤ちゃんに障害が出ないように、妊娠を希望する女性や夫などの家族はぜひ予防接種を受けてほしいと思います。