「皆既月食」知っておきたい3つの話

2018.01.30 #

1月31日の夜、日本で3年ぶりに観測できる「皆既月食」。今回は、雲に遮られなければ、1時間17分間という長い時間観測が出来ます。「皆既月食」は、太陽と地球、それに月が一直線に並び、満月がすべて地球の影に覆われる現象です。
国立天文台によりますと、全国で同じ時刻の午後8時48分ごろから月が欠け始め、午後9時51分ごろ、月全体が地球の影に入り「皆既月食」の状態になります。「皆既月食」は午後11時8分ごろまで続き、翌日(2月1日)の午前0時11分ごろ、元の満月に戻ります。
当日の天気が気になりますが、比較的観測しやすい時間帯ということもあって、全国各地で観測会が予定されています。この記事では、観測の前に知っておくと「皆既月食」がぐっと楽しくなるとっておきの情報を3つお届けします。
 

スーパーブルーブラッドムーン
今回の「皆既月食」をNASA=アメリカ航空宇宙局は、非常に珍しい「スーパーブルーブラッドムーン」だと紹介しています。「スーパームーン」は、月が地球に近づいて、普段よりも大きく明るく見える満月。「ブルームーン」とは、ひと月で2回目の満月のことだそうです。また皆既月食の月は、赤黒く輝くことから、血の色の月、「ブラッドムーン」と呼ばれ、今回の皆既月食は、この3つの現象が重なることから「スーパーブルーブラッドムーン」という特別な「皆既月食」だとしています。
https://www.nasa.gov/feature/super-blue-blood-moon-coming-jan-31
月食の色は毎回微妙に変化
「皆既月食」の月は、赤黒い「赤銅色(しゃくどういろ)」と呼ばれる色になりますが、その色合いは、毎回、微妙に異なります。皆既月食では、月は、地球の影に完全に隠れ、太陽からの光が直接届かなくなりますが太陽光のうち、地球の大気を通過する波長の長い赤い色だけが屈折して地球の影に入った月を照らすようになります。

赤銅色は、この光によって生まれるものですが国立天文台によりますと、地球の大気に含まれるチリの量で色合いが変化するということです。チリが少ないと多くの光が大気を通り抜けて赤銅色の中でも明るいオレンジ色に近くなり、逆にチリが多いと黒っぽくなるということです。
国立天文台のホームページから
このため、大きな火山活動があると火山灰などの影響で月の色も変わります。過去には以下のようなケースが報告されています。

▽1982年の皆既月食の時には真っ暗な月が観測され、同じ年に起きたメキシコのエルチチョン火山の噴火による影響と考えられました。

▽1993年には灰色にわずかに赤みがかった月が観測されその2年前に起きたフィリピンのピナツボ火山の噴火の影響と考えられています。
最長月食は1769年後に
今回の皆既月食は、およそ1時間17分続きますが、前回日本で観測できた3年前にはわずか12分でした。皆既月食の継続時間は毎回変わります。
継続時間が長くなるには、▽月が地球の影の中心近くを通ることと、▽地球から離れているときに月食が起こることが必要で、平成12年7月16日には継続時間が1時間47分という史上最長クラスの皆既月食が観測されました。

では、皆既月食はどこまで長くなりうるのでしょうか。国立天文台の研究者によりますと、計算上、皆既月食の継続時間は1時間47分17秒が最長だと言うことです。そして、次に1時間47分以上の皆既月食が見られるのは、なんと、西暦3787年。今から1769年後だということです。



寒さが厳しくなっています。防寒対策をしっかりとして、観測を楽しんでください。
科学文化部記者
大崎要一郎
平成15年入局。平成20年から報道局科学文化部。主に原子力や科学分野の取材を担当。平成27年から2年間は福島放送局で原発事故の取材をしていました。現在は天文や海洋、先端科学など幅広く取材しています。
記事の内容は作成当時のものです

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