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新選組の忘れ物 キセル入れ見つかる 草津宿本陣

2019.07.25 :

滋賀県草津市の東海道の宿場町にある国の史跡の「草津宿本陣」で、幕末、勢力を広げようとしていた新選組の隊士たちが宿泊した際に置き忘れていった「キセル入れ」などがみつかりました。キセル入れの袋には新選組の忘れ物と書かれた紙が結ばれていて、新選組の当時の様子や宿の対応が分かる貴重な資料として注目されます。

見つかったのは、長さ17センチほどの木製のキセル入れや、持ち運ぶための布の袋です。

草津市の調査チームが去年6月から本陣に残された資料を調べていたところ、ことし3月、蔵にあったタンスの引き出しの中から出てきたということです。
キセル入れの袋には「新選組様五月九日御泊(おとまり)壱番間ニ(いちばんまに)御失念物(おんしつねんぶつ)」と書かれた紙が結び付けられていました。
宿泊客について記録する「大福帳」と照らし合わせたところ、1865年、慶応元年の5月9日に「新選組土方歳三様 斎藤一様 伊藤甲子太郎様 藤堂平助様」と幹部4人の名前が書かれ、隊士と合わせて32人が泊まっていたことが判明し、新選組の忘れ物だと分かりました。

調査チームによりますと、新選組はこの前年の池田屋事件で知名度が上がっていて、勢力を広げようと江戸で隊士を募って京都に戻る途中で草津宿本陣に宿泊したということで、新選組の当時の様子や宿の対応が分かる貴重な資料として注目されます。
調査チームの冨田由布子学芸員は「見つけたときにはこれは一大事だと思いました。もし『壱番間』に幹部が泊まったとしたら、土方歳三の忘れ物かもしれません」と話していました。

※大福帳には「伊東甲子太郎」は「伊藤」と記載されています。
このほか、筆と筆入れやお守りを入れる袋など、幕末の宿泊客の忘れ物あわせて18点が見つかり、調査チームの委員長を務める愛知大学の渡辺和敏名誉教授は「江戸時代の忘れ物がこのような形で残されている例はほとんどないのではないか。当時の旅人の実態に迫るもので非常に興味深い」と評価しています。

草津市は見つかった忘れ物を来月1日から18日まで草津宿街道交流館で展示することにしています。

草津宿本陣 東海道と中山道が合流 交通の要衝

「草津宿本陣」は東海道と中山道が合流する交通の要衝に置かれた施設で、江戸時代の初期から参勤交代の際に大名などが休憩や宿泊をするために使われてきました。
本陣には宿泊客について1年ごとに記録した「大福帳」がおよそ180冊残され、日本に西洋医学を伝えたドイツ人医師のシーボルトや、江戸幕府の最後の将軍徳川慶喜のほか、数多くの大名や公家が泊まったことが分かっています。
昭和24年に国の史跡に指定され、草津市によりますと、年間1万8000人ほどの観光客が訪れているということです。

今回見つかった「キセル入れ」の袋には「壱番間」という部屋の忘れ物であることを示す紙が結び付けられていましたが、「大福帳」にはこの部屋に新選組の誰が泊まっていたのか書かれていないほか、この「壱番間」が本陣のどの部屋のことなのか、はっきりとは分かっていません。

記事の内容は作成当時のものです

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