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マラリア予防に白血病既存薬が効果か

2019.07.03 :

結核やエイズにならぶ世界の三大感染症の1つ、マラリアの予防に白血病の治療に用いられている薬が効果を示す可能性があることを大阪大学などの研究グループが突き止めました。

マラリアは、蚊が媒介する「マラリア原虫」という寄生虫が原因の感染症で、世界で年間40万人以上が死亡していますが、感染を予防するワクチンは開発されていません。
大阪大学微生物病研究所の山本雅裕教授らの研究グループは、マラリア原虫がヒトの肝臓の細胞に侵入したあと、体内で増殖できる形に変化する点に着目して、マウスで調べたところ、細胞内のカルシウムの濃度の上昇が変化の引き金になっていることがわかったということです。
そこで、カルシウムの濃度の上昇に関わる「CXCR4」というたんぱく質の働きを妨げると、マラリア原虫の変化や増殖が抑えられ、通常のマウスはマラリア原虫に感染してから8日後には、すべて死んだのに対し、たんぱく質の働きを抑えたマウスは4割が生き残ったということです。

また、ヒトの肝臓細胞を使った実験でもこのたんぱく質が原虫の変化に関わっていることが確認されたということです。

CXCR4の働きを妨げる薬は白血病の治療薬としてすでに開発されていて、研究グループでは、この薬がマラリアの予防薬として効果を示す可能性があるとしています。
山本教授は、「今後、海外の研究機関などと協力して治療薬として使用できるように効果や安全性の研究を進めていきたい」と話しています。

※掲載された論文はこちらから(※NHKサイトを離れます)
http://jem.rupress.org/content/early/2019/06/11/jem.20182227

記事の内容は作成当時のものです

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