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子宮けいがん 原因ウイルス増殖抑える新薬の治験

2019.06.06 :

子宮けいがんは主にウイルスが原因で発症しますが、京都大学のグループがこのウイルスの増殖を抑える新たな物質を開発し、新薬として国の承認を受けるための治験を始めたと発表しました。
今後、1年余りかけて安全性や効果を検証するということです。

これは京都大学医学部附属病院の濱西潤三講師と、京都大学医学部の萩原正敏教授らのグループが会見を開いて明らかにしました。
子宮けいがんは、主に「ヒトパピローマウイルス」と呼ばれるウイルスに感染して起きるがんで、子宮の摘出手術が必要になるケースも少なくありません。

今回、治験に使われるのはグループが15年前に別の病気の研究のため合成した物質で、これまでの研究から「ヒトパピローマウイルス」の増殖を抑え、子宮けいがんの発症を防ぐ効果が期待できるということです。

治験はすでにことし4月から始まっていて、ウイルスに感染し、子宮けいがんにつながる症状が出ている患者など22人を対象に2週間、薬を投与したうえで、1年余りかけて安全性や効果を検証するということです。

京都大学医学部の萩原教授は「子宮けいがんは、がんにつながる症状が見つかっても手術以外に治療法がないのが現状だ。この段階でも治療できる薬を開発することで、子宮けいがんで亡くなる女性をゼロにしたい」と話しています。

「定期的ながん検診で早期発見を」

子宮けいがんは国内では年間およそ1万人がかかり、3000人が亡くなっている病気で、近年は30代から40代の女性を中心に患者が急増しているのが現状です。

子宮けいがんの主な原因はヒトパピローマウイルスで、このウイルスに感染すると一部の人で子宮の入り口に腫瘍ができ、子宮けいがんにつながります。

子宮けいがんの予防にはワクチンがありますが、国内では副作用の指摘があったことから5年前から厚生労働省がワクチン接種の積極的な呼びかけを中止していて、接種率は3年前の統計では0.3%にとどまっています。

こうしたことから厚生労働省は定期的にがん検診を受けて早期の発見を心がけてほしいと呼びかけています。

新薬の仕組み

子宮けいがんは「ヒトパピローマウイルス」に感染し、ウイルスが体内で増殖する際に作り出される特殊なたんぱく質が主な原因とされています。

今回、開発された物質は、ヒトの細胞に含まれている酵素に働きかけ、ウイルスが増殖し、がんの原因となるたんぱく質が作り出されるのを抑制する効果があるということで、治験に先立って行われた動物実験などでは高い効果がみられたということです。

記事の内容は作成当時のものです

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