NEWS

令和初の春の叙勲 俳優の市村正親さんなど4225人が受章

2019.05.21 :

ことしの「春の叙勲」の受章者が発表され、各界で功労のあった、合わせて4225人が受章することになりました。

令和になって初めてとなる、ことしの「春の叙勲」を受章するのは、「桐花大綬章」が1人、「旭日大綬章」が8人、「瑞宝大綬章」が1人です。

また、「旭日重光章」と「瑞宝重光章」が合わせて52人、「旭日中綬章」と「瑞宝中綬章」が合わせて356人、「旭日小綬章」と「瑞宝小綬章」が合わせて906人など、全体で4225人となっています。

このうち、民間からの受章者は1984人と、全体の46.9%を占めているほか、女性の受章者は401人と全体の9.5%となっていて、いずれも今の制度になった平成15年秋以降で最も多い人数となっています。

「桐花大綬章」は、元最高裁判所長官の寺田逸郎さんが受章します。

また、「旭日大綬章」は、建設大臣などを務めた亀井静香さん、元最高裁判所判事の木内道祥さん、元三菱地所社長の木村惠司さん、元JX日鉱日石エネルギー社長の木村康さん、日本財団会長の笹川陽平さん、JFEホールディングスの社長やNHK経営委員会委員長を歴任した數土文夫さん、元人事院総裁の原恒雄さん、国家公安委員長などを務めた山岡賢次さんの8人が受章します。

「瑞宝大綬章」は、元早稲田大学学長の白井克彦さんが受章します。

「旭日小綬章」は、カンヌ映画祭で、「死の棘」が最高賞に次ぐ「グランプリ」を受賞するなど国際的に高い評価を受けている映画監督の小栗康平さん、ミュージカル「ミス・サイゴン」など舞台を中心に幅広い役柄を演じテレビドラマなどでも活躍する俳優の市村正親さん、日本を代表するジャズ・トランペット演奏家として世界的に活動する日野皓正さんらが受章します。

このほか、外国人叙勲では、アメリカのカーター元国防長官やヘーゲル元国防長官、エチオピアのハイレマリアム元首相が「旭日大綬章」を受章するなど、合わせて61の国や地域から142人が受章することになりました。

春の叙勲の受章者は、例年4月に発表されますが、ことしは皇位継承に伴って、天皇陛下の即位後に日程が変更され、21日発表されました。叙勲の親授式や伝達式は23日から行われます。

市村正親さん「心の中で跳んだり跳ねたりできる俳優に」

旭日小綬章を受章する俳優の市村正親さんは、埼玉県出身の70歳。

昭和48年に劇団四季の俳優としてデビューし、「ウェストサイド物語」や「オペラ座の怪人」などの作品に出演して人気を博しました。平成2年に劇団四季を退団し、その後、ミュージカル「ミス・サイゴン」などの舞台をはじめ、映画やテレビドラマ、アニメーションの声優など、幅広く活躍を続けています。
受章について市村さんは「率直に驚いています。知らせを受けたときは、ちょっと震えました。こういう章をもらえるというのは、ますます気を引き締めて、元気すぎる俳優を目指さなければいけないなと思っています」と話していました。

そのうえで、「古希を迎えたので、エネルギッシュというよりは深いところを見せなければいけない。軽石のような演技ではなく、できればずっしりと、軽く見えても実は重いというような演技ができたらと思っています。跳んだり跳ねたりはできないけれども、心の中で跳んだり跳ねたりできるような俳優になりたいし、お客さんの心を跳んだり跳ねたりさせるくらいのエネルギーをこの肉体を通して提供できたらいいなと思っています」と意気込んでいました。

日野皓正さん「死ぬまで勉強」

旭日小綬章を受章するジャズ・トランペット演奏家の日野皓正さんは、東京出身の76歳。

9歳でトランペットを始めて10代前半から米軍キャンプのバンドで演奏し、昭和42年に初のリーダーアルバムを発表して以降、大きな注目を集めるようになりました。昭和50年に活動拠点をニューヨークに移して世界のトップミュージシャンと共演を重ね、平成元年には日本人として初めてアメリカの名門ジャズレーベル「ブルーノート」とアーティスト契約を交わしました。

その後も日本を代表するジャズミュージシャンとして精力的に活動を続けながら、若手の育成にも力を注いでいます。

受章について日野さんは、「こんなジャズミュージシャンがもらっていいのかなと思いましたが、担ぎ出されたのが僕で、音楽がいただいたものなんだと思います。これでまたジャズや音楽が聞かれて、文化が向上すればいいなと思います」と述べました。
そのうえで今後について、「『死ぬまで勉強』です。ミュージシャンでも何でもアートができればいいと思っていて、その質がよくなっていくことが自分の夢だから、もっと努力して、サボらない、それがいちばん大事かな」と述べていました。

小栗康平さん「次は老いをテーマに撮りたい」

旭日小綬章を受章する映画監督の小栗康平さんは、群馬県出身の73歳。

大学卒業後、フリーの助監督として活動したあと、昭和56年に宮本輝さんの小説が原作の映画「泥の河」で監督としてデビューしました。

平成2年に公開された映画「死の棘」では、世界3大映画祭の1つ、フランスのカンヌ映画祭で、最高賞に次ぐグランプリと国際批評家連盟賞を受賞しています。これまでに6本の映画を製作し、その芸術性の高い映像表現は国内外で高い評価を受けています。

受章について小栗監督は「前作から3年近くたつので、どうしてこのタイミングでと思いましたが、『それなりの年にお前はなったんだよ』と言われているんだと考え直しました。年は70を越えましたが、撮った映画がわずか6本しかないわけですから、いったい自分の映画半生とは何なのかと振り返るチャンスをいただいたと思いました」と話していました。

そのうえで次回作について問われると、「死ぬまでにはあと1本撮れよと言われている年齢にもなってきました。次は老いをテーマに撮ってみたい。動かない体も私たちの身体の一部になっていくわけですから、老いそのものを豊かに探すような映画をなんとか見いだしていきたい」と意気込みを述べていました。

笹川陽平さん「『使命感』と『覚悟』が大切」

「旭日大綬章」を受章する笹川陽平さんは、80歳。

福祉や教育、国際協力などの事業を支援する公益財団法人・日本財団の会長を務めるかたわら、40年以上にわたってハンセン病患者の救済に取り組みWHO=世界保健機関のハンセン病制圧大使なども務めています。

笹川さんは、「現場には問題点と答えの両方があり、『使命感』と『覚悟』が大切だと自分に言い聞かせて、現場主義でやってきた」と話しています。

そのうえで、ハンセン病への取り組みを振り返り、「病気と差別の2つを同時に解決しなければならないのはハンセン病だけだ。これまで1600万人を病気から解放してきており、次は患者をゼロにすることを目標に努力したい」と述べました。

また、今後、力を入れたいテーマとして海に流れ出した大量のプラスチックごみや漁業資源の枯渇など、海洋環境の問題を挙げ、「海はすでに悲鳴をあげている。地球環境を1000年後、2000年後も健全に維持していくにはどうしたらいいかということに人生の最後を懸けたい」と述べました。

記事の内容は作成当時のものです

NEWS一覧に戻る

関連記事