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城の石垣 半数以上が「修復必要」

2019.05.14 :

相次ぐ災害で各地の城の石垣が崩れるなか、NHKが全国の主な「名城」を対象にアンケート調査を行ったところ、回答が有効な124か所のうち、半数以上の71の城の石垣に修復が必要な被害や劣化が見られることが分かりました。

NHKは「日本城郭協会」が選んだ日本100名城と続日本100名城を対象にことし3月、アンケート調査を行いました。

石垣のない城などを除く169の城について、管理している地元自治体などに用紙を送り、このうち73%に当たる124の団体から有効な回答を得ました。

はじめに城の石垣に関して日常的な観察や管理を行っているか尋ねたところ、92%に当たる114の団体が「行っている」と答えました。
「行っている」と答えた団体に頻度や実効性について問いかけると、「おおむねできている」が77と多数を占める一方で、「十分にできている」は5か所にとどまり、「あまりできていない」は32と、3割近くに及んでいました。
また、「現在、修復を要する被害や劣化は見られるか」と尋ねたところ、57%に当たる71の団体が「見られる」と答えました。
さらに、石垣の一部がせり出す「はらみ」や変形など、被害の前兆は見つかっているかどうか尋ねたところ、74%に当たる92の団体が「見つかっている」と答えました。

各地の石垣の修復に携わっている石川県金沢城調査研究所の北垣聰一郎名誉所長は「日常の管理ができていないうえに、何をすればいいのかが十分に浸透していない。担当者には管理の徹底を求めるとともに、各地の石垣の管理を総合的・学術的に行える体制を国が主導して速やかに作ってもらいたい」と指摘しています。

主な回答結果

今回のアンケート調査の主な回答結果です。質問の文言は、一部変えているところがあります。

安全管理の有無について

現在、日常的な観察や管理を行っていますか。
▽行っている 114(92%)
▽行っていない 10(8%)
「行っている」と答えた管理団体にうかがいます。具体的には何を行っていますか。(複数回答)
▽目視による定期的な観察 87
▽清掃や樹木の伐採、排水の管理 79
▽危険箇所への立ち入り制限 53
▽石垣カルテの作成 39
▽機器を使った定期的な観察 24
▽その他 15
「行っている」と答えた管理団体にうかがいます。頻度や実効性についてはどのように考えますか。
▽十分にできている 5(4%)
▽おおむねできている 77(68%)
▽あまりできていない 32(28%)

被害の有無について

現在、修復を要する被害や劣化は見られますか。
▽見られる 71(57%)
▽見られない 44(35%)
▽分からない 9(7%)
「見られる」と答えた管理団体にうかがいます。どのような対応を取っていますか。(複数回答あり)
▽本格修復を実施中、または、実施を予定している 28
▽限定的な応急処置を実施中、または、実施を予定している 21
▽結論が出ていない 20
▽特に対応の予定はない 4
▽その他 11

前兆の有無について

現在、「はらみ」や変形など被害の前兆は見つかっていますか。
▽見つかっている 92(74%)
▽見つかっていない 27(22%)
▽分からない 5(4%)
「見つかっている」と答えた管理団体にうかがいます。どのような対応を取っていますか。(複数回答あり)
▽本格修復を実施した、または、実施を予定している 18
▽限定的な応急処置を実施した、または、実施を予定している 20
▽継続的に経過を観察している 62
▽対応が必要かどうか判断できない 2
▽特に対応していない 2
▽その他 11

記事の内容は作成当時のものです

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