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百舌鳥・古市古墳群 世界文化遺産登録へ

2019.05.14 :

世界文化遺産への登録を目指している大阪府の「百舌鳥・古市古墳群」について、ユネスコの諮問機関は、世界遺産に登録することがふさわしいとする「記載」の勧告をまとめました。これにより、「百舌鳥・古市古墳群」は、ことしの世界遺産委員会で世界文化遺産に登録される見通しとなりました。

大阪府の「百舌鳥・古市古墳群」は、大阪府内に4世紀後半から5世紀後半にかけて造られた49基の古墳からなる古墳群です。

なかでも、仁徳天皇陵とされる陵墓は、全長486メートルに及ぶ世界最大級の前方後円墳で、ことしの世界文化遺産への登録を目指しています。
ユネスコの諮問機関「イコモス」は現地調査などを行った結果、世界遺産に登録することがふさわしいとする「記載」の勧告をまとめました。
今回の勧告は、4段階ある評価のうち最も高いことなどから、「百舌鳥・古市古墳群」は、ことしアゼルバイジャンで開かれる世界遺産委員会で正式に世界文化遺産に登録される見通しとなりました。
文化庁は「傑出した古墳時代の埋葬の伝統と社会構造が証明されるなど、この古墳群には、顕著な普遍的価値があると評価された。真実性や保存状況も問題ないとされたと思う。市街化の開発などによって古墳群に影響が出ないよう地域と連携して守っていきたい」と話しています。

国内の世界遺産は現在、文化遺産が18件、自然遺産が4件です。

仁徳天皇陵は世界最大級の王の墓

「百舌鳥・古市古墳群」は、大阪府南部の堺市と羽曳野市、藤井寺市にまたがる2つの古墳群で、4世紀後半から5世紀後半ごろに造られた49基の古墳からなります。

巨大な前方後円墳が集中しているのが特徴で、このうち、堺市にあり宮内庁が「仁徳天皇陵」として管理し、「大山古墳」とも呼ばれる前方後円墳は全長およそ500メートルと国内で最大です。エジプト・クフ王のピラミッドや中国・秦の始皇帝陵などと並び世界最大級の王の墓とされています。

また、羽曳野市にあり、「応神天皇陵」として管理されている前方後円墳は国内で2番目の大きさです。
巨大な古墳の近くに大小さまざまな古墳があるのも特徴で、円墳や方墳など、古墳の形や大きさは埋葬された人物の地位を表していると考えられています。

巨大な前方後円墳に葬られた王の親族や臣下の墓とみられ、日本列島における古代王権の成り立ちを表す貴重な遺跡とされています。

最も高い評価「記載」 これまですべて世界遺産に

ユネスコの諮問機関「イコモス」の勧告は、世界遺産への登録の可否を決める世界遺産委員会の判断に影響を与えます。

イコモスの審査は「普遍的な価値の証明が十分か」や「保全状況は十分か」などを基準に行われ、最も高い評価の「記載」、「情報照会」、「記載延期」、「不記載」の4段階で評価します。

このうち、「記載」の評価をうけたものは、これまですべて世界遺産に登録されています。

それに次ぐ「情報照会」は、追加で情報を提出させて翌年以降に再度審査を、さらに「記載延期」は、本質的な改定が必要だとして登録を見送るべきという内容の勧告です。

ただし、過去にはこの2つの勧告を受けたものがその年の世界遺産委員会で登録が認められたケースもあります。

最も低い評価の「不記載」は、世界遺産にふさわしくないという勧告で、これが世界遺産委員会で確定すると世界遺産への登録は難しくなります。

大阪府 初の世界遺産へ

日本国内の世界遺産は、文化遺産と自然遺産の合わせて22件ありますが、近畿の2府4県では唯一、大阪府だけ世界遺産がなく、府は地元とともに「百舌鳥・古市古墳群」の登録に力を入れてきました。

府と地元の3つの市がユネスコへの国内推薦を目指して初めて名乗りをあげたのが平成25年です。

しかし、国内候補地を決める文化審議会から、古墳や周囲を含む一帯の保全のあり方や計画が十分でないなど、10点にのぼる課題が指摘されました。

堺市などは屋外広告を規制する条例の策定に取り組みましたが、2回目の挑戦となった平成27年にも再び推薦が見送られ、海外の人にも分かる古墳の価値の詳しい説明など5点の課題を指摘されました。

そして、翌年の3回目の挑戦でも推薦は見送られ、古墳の歴史的な価値をさらに分かりやすくすることや、観光客の移動手段など、より具体的な課題が指摘されました。

4回目となったおととしの挑戦では、保存状態の悪い古墳を除いて49まで絞り込んだうえで、将来にわたる保全や管理の計画を具体化しました。

さらに、巡回バスの運行など観光客の移動手段などの解決にも取り組んだ結果、その年の7月、国内推薦の候補に決まりました。

吉村知事「登録に全力で取り組む」

大阪府の吉村知事は「大阪が世界に誇る歴史遺産『百舌鳥・古市古墳群』が、世界文化遺産に相応しいということをご理解いただけたものと、大変嬉しく思っております。世界文化遺産登録を応援していただいている皆様に厚くお礼を申し上げます。7月に開催される世界遺産委員会において、勧告のとおり、登録が実現されるよう、引き続き国や地元の市とともに全力で取り組んでまいります」というコメントを発表しました。

記事の内容は作成当時のものです

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