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縄文人のすべての遺伝情報を初めて解読

2019.05.13 :

およそ3800年前の縄文人のすべての遺伝情報を初めて解読できたと、国立科学博物館などのグループが発表しました。

瞳が茶色で酒に強いといった体の特徴が推定できるほか、東アジア沿岸の南北に広い範囲の人たちと遺伝的に近いことが分かり、日本人の起源の解明などにつながると期待されます。

遺伝情報を解読したのは、国立科学博物館や国立遺伝学研究所など国内の7つの研究機関で作るグループです。
グループは、北海道の礼文島の船泊遺跡で発掘されたおよそ3800年前の縄文人の女性の臼歯から核DNAを抽出し、最先端の装置を作って詳しく分析しました。
その結果、DNAの保存状態が極めてよく、30億対の塩基配列すべての遺伝情報を解読することができたということです。
この遺伝情報から女性の体の特徴を推定したところ、皮膚の色は濃く、髪は細く巻き毛、瞳は茶色で酒に強いほか、耳垢は湿っていることなどが分かりました。

また、北極圏に住む人に多く見られる、脂肪分が多い食べ物を代謝するのに有利に働く遺伝子の変異も見つかり、狩りや漁を中心とした生活の様子が裏付けられたとしています。

さらに、この女性の遺伝情報をもとに、縄文人の成り立ちを調べたところ、遺伝情報のおよそ10%が現代の日本人に引き継がれているほか、縄文人の祖先は旧石器時代の3万8000年前から1万8000年前に、大陸に住む人たちから分岐したと考えられるということです。
台湾の先住民や韓国人、それに極東ロシアのウルチと呼ばれる人々など、東アジア沿岸の南北に広い範囲の人たちと遺伝的に近いことも分かったとしています。
古代人の遺伝情報の分析は、ここ10年余りで急速に進展し、ほかの縄文人でも研究が進められていますが、グループによりますと、すべてを高い精度で解読したのは世界で初めてだということです。
国立科学博物館の篠田謙一人類研究部長は「今後、古代人の遺伝子研究が飛躍的に進むと期待できる。遺伝情報を公開して、日本人の起源を解明したり、日本人に多く見られる病気がいつから発症するようになったのかなど、さまざまな研究に役立ててほしい」と話しています。

記事の内容は作成当時のものです

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