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地球温暖化対策で人工衛星の活用議論へ 国連専門機関総会

2019.05.08 :

地球温暖化対策をけん引してきた世界各国の科学者らが一堂に集まる国連の専門機関の総会が、8日から京都市で始まりました。人工衛星を使って地上の二酸化炭素の排出量を推定するなど、新たな手法の導入について議論が交わされる予定です。

京都市で始まったのは、世界各国の科学者などでつくる国連の専門機関IPCC=「気候変動に関する政府間パネル」の総会です。

開会式にはおよそ150の国や地域などから科学者や政府の担当者などおよそ360人が集まりました。

IPCCは、去年10月、今のペースで温室効果ガスの排出が続けば、世界の平均気温が、早ければ2030年に産業革命前に比べて1.5度上昇し、異常気象が増加すると予測するなど、世界の温暖化対策のけん引役を務めてきました。

今回の総会では、温室効果ガスの排出量の計算方法を13年ぶりに見直すことにしていて、具体的には、人工衛星で宇宙から観測した地上の二酸化炭素のデータをもとに、各国の排出量を推定するなど、新たな手法の導入について議論が交わされる予定です。

地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」を締結したすべての国は、来年以降、温室効果ガスの排出量などを国連に定期的に報告することが義務づけられます。

今回、議論される新たな手法が正式に導入されれば、これまでの方法と組み合わせることで、より実態に近い排出量のデータを算出できるほか、各国が来年以降、国連に報告した排出量が正しいかどうかの検証などに役立つと期待されています。

開会式でIPCCのイ・フェソン(李会晟)議長は「新たな手法が最新の科学に基づいていることを証明することで、各国からの報告などの透明性を高めることができる。今回の総会の結果が世界に貢献することを期待したい」と述べました。

総会は今月12日まで開かれ、翌13日に議論の結果をまとめ、報告書として公表する予定です。

注目される「いぶき2号」

温室効果ガス観測技術衛星2号 「いぶき2号」
今回のIPCCの総会で話し合われる温室効果ガスの排出量の新たな算出方法のうち、人工衛星を使った手法で注目されているのが、去年10月に打ち上げられた日本の「いぶき2号」です。

「いぶき2号」は、高性能センサーで二酸化炭素やメタンなどの地球上の温室効果ガスの濃度を観測するほか、観測の障害となる雲を自動的に避ける機能を備えています。

また、500キロメートル四方のエリアが観測できるほか、観測された二酸化炭素が動物などから自然に出たものか工場などでの産業活動で出たものかを見分ける機能も備わっています。

このほか、新たなエネルギーとして注目され、燃料電池車などの燃料として使われる「水素」を作る際にも、二酸化炭素がわずかに出る場合があることから、これを排出量に加えるかどうかについても議論される見込みです。

一方、今回IPCCの総会の開催地に京都市が選ばれた理由について、環境省は、地球温暖化対策の初の国際的な枠組み「京都議定書」が平成9年に採択された場所であることや、環境問題に関する国際会議やシンポジウムを主催した経験が豊富なことなどをあげています。

IPCCの総会が日本で開かれるのは、平成26年の横浜市以来2回目です。

記事の内容は作成当時のものです

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