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臨床研究法 医師の6割「研究しづらくなり 患者の不利益に」

2019.04.29 :

医療の現場で新しい治療法を確立するための臨床研究について、去年4月に申請手続きなどを厳格にする法律が施行されたことで、がん治療の専門医の6割が「研究がしづらくなり、患者の不利益につながる」と考えているという調査結果がまとまりました。

新しい治療法を確立するための臨床研究をめぐっては、研究データの改ざんが行われ、製薬会社と医師との癒着が指摘されたことを受けて、国は、製薬会社から資金提供を受けて行う研究などについて、申請手続きやデータ管理をより厳格にする臨床研究法を去年4月に施行しました。

この法律について、がん治療の研究グループが先月、全国のがんの専門医129人に、どのような影響が出ているかアンケート調査を行い、77人から回答を得ました。

それによりますと、法律ができたことで事務手続きが「かなり負担」あるいは「非常に負担」になったという医師が全体の87%に上りました。

また、この法律によって臨床研究が推進されていると思うか聞いたところ、「そう思わない」と答えた医師が31%、「逆効果である」が61%に上りました。

さらに、患者への影響については、「多少の不利益が生じる」が34%、「おおきな不利益が生じる」は29%と、およそ6割の医師が、研究がしづらくなり、患者の不利益にもつながると考えていて、「患者の利益につながる」と答えたのは6%でした。

こうした現状について、日本臨床試験学会の大橋靖雄代表理事は「臨床研究法は不正を防止するために必要な法律だが、その一方で、治療の開発が遅れれば、将来、患者にとっても大きな問題となる。ある程度の法律的な規制は必要だが、運用を見直す必要がある」と指摘しています。

一方、厚生労働省は「研究がしづらくなったという医師の声が上がっているのは把握していて、今後、対応を検討していきたい」と話しています。

記事の内容は作成当時のものです

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