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トップ棋士 平成の将棋界を振り返る

2019.04.29 :

将棋の羽生善治九段や藤井聡太七段など、8人のトップ棋士が平成の将棋界の歩みを振り返る催しが、東京都内で開かれました。

「棋才 平成の歩」と名付けられたこの催しは、元号が変わるのを前に平成の30年を振り返ろうと、日本将棋連盟が東京都内で開きました。

平成8年に当時の七大タイトルすべてを独占した羽生善治九段や、おととし、最多連勝記録を30年ぶりに更新した藤井聡太七段など、女流棋士を含む8人のトップ棋士が一堂に会し、まず、このうちの6人がトークショーに臨みました。
この中で羽生九段は、平成の将棋界について「アナログの時代からデジタルの時代に移り変わっていった時代で、今振り返ってみると、それを全部経験できたのは得難いことだと感じる」と話しました。
後半のトークショーに加わった藤井七段は、次の時代に将棋界をどのようにしていきたいか司会者から問われると、「自分にはまだまだ荷が重すぎる感じがしますが、これから強くなって皆様に楽しんでもらえるような将棋を指していきたい」とはにかみながら答えていました。

このほか、2つのチームに分かれて交代しながら指し合うリレー将棋も行われ、集まったおよそ800人の将棋ファンは、棋士たちの白熱した対局に拍手をして盛り上がっていました。

20代の男性は、「豪華な棋士たちの対局を見ることができて、とてもうれしいです。新たな令和の時代には、藤井七段にぜひタイトルを獲得してもらいたい」と話していました。

発言で振り返る将棋界の平成

平成の30年の間に将棋界ではどのような出来事があり、棋士たちはどんな思いで対局してきたのか、29日の発言をもとに振り返ります。

(平成の絶対王者)
30年を通して第一線で活躍を続け、「平成の絶対王者」と言えるのが、羽生善治九段です。
平成元年に当時の最年少記録となる19歳2か月で初のタイトルを獲得し、平成8年、25歳のときに、当時の七大タイトルすべてを独占する史上初の「七冠」を成し遂げました。
羽生九段はこの時の対局について「実はあの日は高熱を出していて、緊張感とプレッシャーで、ふらふらでよく覚えていない」と明かしました。

(ライバルたちの戦いは)
一方、この対局で羽生九段に敗れた谷川浩司九段は、「タイトルをすべて失って一からスタートできた。ストレート負けはだらしなかったが、意義のある戦いだった」と振り返りました。
また、羽生九段と名勝負を繰り広げた同世代のライバル、森内俊之九段は「研究するのが好きで同じような考え方を持っている羽生さんたちがいて、自分としてはやりやすかった。いい時代に成長させてもらった」と語りました。

(AIの台頭)
一方、羽生九段が「アナログの時代からデジタルの時代に移り変わっていった時代」と指摘したように、平成の将棋はコンピューターや人工知能=AIによって大きく様変わりしました。
人工知能を使った将棋ソフトを研究に取り入れることで、従来の指し手にとらわれない一手が多く見られるようになりました。

(衝撃のデビュー)
こうした中、平成28年には藤井聡太七段が史上最年少の14歳2か月でプロ入りし、翌年には前人未到の29連勝を成し遂げました。
藤井七段は「デビューしたときから夢中で1局1局指してきて、20戦目では苦しい展開から逆転で勝って、そこから勢いづいた」と振り返っていました。

(若手台頭・令和に向けて)
将棋界では、羽生九段が去年12月に「竜王」のタイトルを失って無冠となり、現在、八大タイトルを6人で分け合っています。
このうち3人は30代、残る3人は平成生まれの20代と、若手棋士の台頭が進む中で令和の時代を迎えます。

記事の内容は作成当時のものです

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