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キトラ古墳の壁画 国宝に指定へ 発見から36年

2019.03.18 :

18日開かれた国の文化審議会で、およそ1300年前の飛鳥時代に造られた奈良県明日香村のキトラ古墳で見つかった極彩色の壁画が国宝に指定されることになりました。

国宝に指定されるキトラ古墳の壁画は、石室の東西南北の壁に描かれた方角の守り神「四神」と顔が、えとの動物で体が人の姿をした「十二支」、それに天井に描かれた「天文図」です。
このうち四神は、同じ明日香村の高松塚古墳では失われていた南の方角の守り神、「朱雀」が良好な状態で残っていて躍動感あふれる筆遣いで表現されています。

また、東アジアで最古とされる天文図は、金ぱくで表現した星々を朱色の線でつなぎ、古代中国の星座が描かれています。
古墳に描かれた極彩色の壁画は、高松塚古墳と並んで国内で2例しかなく、日本の古代の絵画史を考えるうえで不可欠な作品例だと評価されました。

キトラ古墳の壁画はカビなどによる劣化のため石室から剥ぎ取られ、修復が進められていましたがその作業が終わり、去年、国の重要文化財に指定されたばかりで、文化庁によりますと1年で国宝に格上げされるのは極めて珍しいということです。

壁画保護を優先し慎重に修復

キトラ古墳で最初の壁画が発見されたのは、昭和58年です。

文化庁は、これまでも「国宝級として扱ってきた」としていますが、なぜ36年がたった今になって指定されることになったのでしょうか。

それは、発見当初から壁画の下地のしっくいが浮き上がるなど傷みが激しく、剥がれ落ちるおそれがあり、カビなどによる劣化も進んだためです。

一方、文化財に指定すると、現状を変更する際の手続きが煩雑になり修復が難しくなるため、文化庁は壁画を守ることを優先しました。

専門家を交えて慎重に修復方法を検討し、平成16年以降、古墳の石室から壁画を剥がし取るという前例のない作業を行ったうえで湿度と温度を一定に保った明日香村にある施設で少しずつ修復を進めました。

修復は3年前に終わり壁画は古墳近くに整備された「キトラ古墳壁画体験館四神の館」で保存されています。

その後の環境も安定したとして、去年、国の重要文化財に指定され、その後、最速の1年で国宝に格上げされることになりました。

記事の内容は作成当時のものです

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