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新宇宙ステーション建設計画 日本は居住棟担当

2019.03.12 :

地球からおよそ38万キロ離れた月の軌道上に、新たに建設する計画の宇宙ステーションについて、NASA=アメリカ航空宇宙局などは、各国がどの部分を担当するのかをまとめた案を発表し、日本は、宇宙飛行士の「居住棟」を担当することになりました。

NASAと日本のJAXA、それにESA=ヨーロッパ宇宙機関などは、月の軌道を周回する宇宙ステーションを、7年後の2026年を目標に建設する計画を進めていて、11日、各国の分担案を発表しました。

「ゲートウェイ」と呼ばれるこの宇宙ステーションは、大きく分けて10の部分や装置で構成され、このうち日本はESAと協力して、宇宙飛行士が滞在する「居住棟」を担当することになりました。

日本はこのほかにもNASAと協力して宇宙ステーションに物資を運ぶ手段の開発を担う計画です。

NASAはことし10月から始まる2020年度の予算案に、新たな宇宙船やロケットの開発費用などとしておよそ400億円を盛り込んでいます。

JAXA「日本が主体的に国際貢献」

月を周回する宇宙ステーション「ゲートウェイ」の計画でJAXA=宇宙航空研究開発機構は居住棟と輸送船を担当する見通しとなり、JAXAの若田光一理事は「物資の補給の技術や有人滞在技術などを柱に計画に貢献していきたい」と述べました。

この計画は宇宙ステーションを月を周回する軌道につくり、科学研究や、月面探査や火星探査の拠点にしようというもので現在、地球の周りを回っている国際宇宙ステーションの次のプロジェクトとしてアメリカが提案していました。

NASA=アメリカ航空宇宙局やJAXA=宇宙航空研究開発機構など5つの宇宙機関が分担して開発を進めていて、日本は、宇宙飛行士が滞在する居住棟の一部と物資を運ぶ無人の輸送船の設計や建設などを今後担当する見通しとなりました。

これについてJAXAやNASAなどは12日、共同で声明をだしコストの見積もりや資金の調達先の検討など計画を進めるための具体的な手続きに入るとしました。
宇宙飛行士でJAXAの理事をつとめる若田光一さんは「日本が強みをもつ物資の補給技術や有人滞在技術などを柱にしてこの分野で活動していくことで、日本が主体的に国際貢献していきたい。この計画は月面だけではなく火星などその先の探査にも生かせる」と述べました。

計画は最終的には参加国の政府が計画を承認して予算を確保してから建設に乗り出すことになります。

「ゲートウェイ」とは

「ゲートウェイ」は月を周回する新しい宇宙ステーションで、月や火星探査などの中継拠点としての活用が期待されています。

月の上空4000キロから7万5000キロの楕円軌道を周回させる構想で、大きさは今の「国際宇宙ステーション」よりも小さく、重さはおよそ6分の1の70トン前後を想定しています。

建設段階では、年間に1か月ほど4人の宇宙飛行士が滞在しますが、将来的には長期滞在を行い科学実験のほか、専用の着陸機に乗り込み月面との間を往復することも検討されています。
アメリカは「ゲートウェイ」を国際プロジェクトで建設するよう呼びかけ先月、カナダが正式に参加を発表したほか、国際宇宙ステーションの計画に参加している日本やロシア、それにヨーロッパの各政府も参加を検討しています。

現在は各宇宙機関の間で必要な設備の分担を決めて開発の検討を進めていて、このうち、JAXA=宇宙航空研究開発機構は宇宙飛行士が滞在する居住棟の一部と、物資を輸送する無人の宇宙輸送船の開発を担当することになっています。

このほか、NASA=アメリカ航空宇宙局は有人宇宙船や物資を輸送する無人の宇宙輸送船のほか居住棟、電気、推進系統などを開発し中心的な役割を担います。

ロシア国営の宇宙開発公社、ロスコスモスは有人宇宙船とドッキングする「エアロック」を備えた多目的棟を開発します。

ESA=ヨーロッパ宇宙機関は、JAXAとともに居住棟の一部のほかNASAとともに有人宇宙船の開発などを担当します。

カナダ宇宙庁は「国際宇宙ステーション」に引き続きロボットアームの開発を担当します。

計画では2022年から建設を開始し、2026年ごろの完成を目指していて、建設全体のコストはJAXAが去年行った試算では3100億円から4200億円と見積もられています。

記事の内容は作成当時のものです

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