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新型出生前検査 小規模医療機関でも実施へ 条件緩和の方針

2019.03.02 :

生まれる前の赤ちゃんに染色体の異常がないかを調べる新型出生前検査について、日本産科婦人科学会は、現在検査を行っている規模の大きな病院だけでなく、小規模な医療機関でも行うことができるように条件を緩和して、検査を行う施設を増やす方針をまとめました。

新型出生前検査は、妊婦の血液を分析して胎児にダウン症などの3つの染色体異常があるか判定する検査で、日本産科婦人科学会は検査を行う医療機関の条件を定め認可を受けた施設で行うよう求めています。

これまでの条件は、
▽産婦人科と小児科の両方の医師が常勤していること、
▽検査の前とあとに心理的なサポートも含めた専門的なカウンセリングを行うこと、などとし、大学病院などの規模の大きな全国の92の病院が認可を受けて実施しています。

しかし、罰則がなく認可を受けずに検査を行う医療機関があることから、学会は、一定の条件を満たせば連携施設という名称でクリニックなどの小規模な医療機関でも検査が行えるよう条件を緩和し、認可施設を増やす方針をまとめました。

連携施設の条件として、
▽産婦人科の医師がいれば小児科の医師の常勤は必要なく、▽検査の前後のカウンセリングは検査の説明や情報提供でその代わりにすることができる、ということです。

そして連携施設の検査で「異常の可能性がある」という結果がでた場合には、規模の大きな病院に紹介して専門的なカウンセリングを行うとしています。

学会は今後、関連するほかの学会や国民から意見を募り、最終的に決定したいとしています。

この検査で異常が見つかると人工妊娠中絶を選択するケースが多いことなどから、一部の生命倫理の専門家は、適切に判断するためには検査前の段階から十分なカウンセリングが必要だとして今回の方針に反対しています。
日本産科婦人科学会の苛原稔倫理委員長は「連携施設でも原則として専門的な知識を持った医師が検査を行うことになり、カウンセリングも高いレベルのものを求めていく。妊婦に寄り添う形で適切に進めていきたい」としています。

「染色体異常」で98%が中絶選ぶ

新型出生前検査は、妊婦の血液を分析して、おなかの中の胎児に、ダウン症のほか18トリソミー13トリソミーと呼ばれる合わせて3つのタイプの染色体の異常があるか検査します。

日本産科婦人科学会は必要な条件を定めて、これを満たした施設が認可され、国内では平成25年から始まりました。

晩婚化で高齢での出産が増えていることなどを背景に検査の件数は年間1万件以上あり、去年9月までに認可施設で行った検査は累積で6万件以上に上っています。

この検査などで染色体の異常があると確定診断がされた場合で、出産が可能だった人のうち、およそ98%が人工妊娠中絶を選んだことが、検査を実施する医療機関のグループの調査で分かっています。

そのため検査を受ける前とあとに、検査の説明だけでなく、本当に検査が必要か考えたり心理的な影響を踏まえたりした専門的なカウンセリングを行い、適切に支援することが大切だとされてきました。

しかし法律上の罰則がないため、認可を受けないまま検査を行う施設が少なくとも15以上あるとされ、学会は、こうした施設の中には十分なカウンセリングが行われないケースがあるなどの問題を指摘しています。

記事の内容は作成当時のものです

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