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はやぶさ2 着陸に成功 詳しいデータ分析へ JAXA

2019.02.22 :

生命の起源の解明を目指して、4年余り前に打ち上げられた日本の探査機「はやぶさ2」が、22日午前7時半ごろ、およそ3億キロ離れた小惑星「リュウグウ」への着陸に成功したと、JAXA=宇宙航空研究開発機構が発表しました。JAXAは今後、目的とする岩石の採取などに関わる詳しいデータの分析を行うことにしています。

21日午後1時すぎに高度2万メートルから降下を開始した「はやぶさ2」は、高度500メートル付近で、自動制御に切り替わり、小惑星の大きな岩がない直径6メートルのごく狭い場所への着陸に挑みました。

そして、JAXA=宇宙航空研究開発機構は22日午前、「はやぶさ2」が22日午前7時29分に、小惑星「リュウグウ」への着陸に成功したと発表しました。

着陸では、探査機の下の長さおよそ1メートルの岩石採取装置の先端を地表につけて弾丸を発射し、砕けて舞い上がった岩石を採取することになっていましたが、この弾丸も発射できたということです。

神奈川県相模原市にある「はやぶさ2」の管制室では、JAXAの職員らが笑顔で抱き合ったり、握手したりして喜んでいました。JAXAは今後、岩石の採取などに関わる詳しいデータの分析を行うことにしていて、吉川真ミッションマネージャは「非常にほっとした。惑星科学にとって新しいスタート地点になったと思う」と話しました。

「はやぶさ2」はこのあと、小惑星の上空2万メートルまで戻り、あと1度か2度行われる予定の着陸に備えることになっていて、地球に帰還するのは、来年12月の予定です。

着陸後、上昇中に撮影した映像公開

JAXAは22日午前11時からの記者会見の中で、はやぶさ2が、小惑星に着陸したあと、上昇する途中に、はやぶさ2の底に備え付けられたカメラで撮影した画像を公開しました。
この画像には、はやぶさ2の影が見えるほか、小惑星の表面が黒くなっている様子が確認できます。

この黒い部分について、JAXAは「はやぶさ2が小惑星に着陸したあと、上昇した際にガスを噴射した痕だと考えられる」と説明しました。そのうえで、「同じ画像にはガスの噴射などによって舞い上がったとみられる砂のようなものが大量に映り込んでいて、それなりの量の岩石などを採取できたと思っている」と話しました。

着陸成功がもたらすものは

地球と小惑星「リュウグウ」の距離は現在、およそ3億4000万キロ。「はやぶさ2」に管制室から信号を送って、探査機から反応が返ってくるまで40分程度かかります。そうした条件の中で「はやぶさ2」は小惑星「リュウグウ」の直径6メートルという極めて狭い範囲へピンポイントに着陸することに成功しました。JAXA=宇宙航空研究開発機構では今後の日本の宇宙探査に大きく役立つとしています。

日本は月面着陸に挑む探査機「SLIM」を2021年度に打ち上げる計画です。これまでの月に着陸した海外の着陸機は数キロメートルの誤差がありましたが、「SLIM」はそれを大幅に縮めることを目指しています。

また、生命の存在が期待される火星の成り立ちに迫ろうと、火星の衛星「フォボス」か「ダイモス」に探査機を送り込み、岩石などを地球に持ち帰る計画もあり、2024年度の打ち上げを目指しています。

JAXA=宇宙航空研究開発機構の久保田孝研究総主幹は、「日本は月や火星の衛星への着陸して探査する計画を進めている。重力は違うが、正確に狙った場所に探査機を着陸させる技術を確立したことは今後に生かせるもの。天体への着陸技術の幕開けを迎えたといっていい」と話していました。

JAXAに多くの天文ファン

探査機「はやぶさ2」の管制室がある神奈川県相模原市のJAXA宇宙科学研究所には着陸成功のニュースを聞いて、多くの天文ファンが集まりました。

このうち40代の男性は、「みごとな着陸でした。でも、これで終わりではなく、残りのミッションも成し遂げて無事に地球に戻ってきて初めて成功といえます。まだまだ応援します」と少し興奮した様子で話していました。

また、「はやぶさ」初号機がきっかけとなり、宇宙に関心をもつようになったという女性は、「いつもニュースやインターネットなどで「はやぶさ2」のことは調べています。

こんなに早く着陸ができるとは予想もしていなかったので、管制室の拍手を見たときは、逆に拍子抜けしたくらいです。残りのミッションも頑張って欲しいです」とエールを送っていました。

記事の内容は作成当時のものです

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