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はしかの感染拡大 患者167人に 同時期で過去10年で最多

2019.02.19 :

ことしのはしかの患者数は、全国で167人に上っていて、この時期としては過去10年で最も多くなっています。国立感染症研究所は必要な人はワクチンの接種を検討するほか、感染した疑いで医療機関を受診する際には事前に電話で相談してほしいと呼びかけています。

はしかは、発熱や、全身に発疹が出るウイルス性の感染症で、感染力が極めて強く、重症になる場合があるほか、妊婦が感染すると流産や早産のおそれもあります。

国立感染症研究所によりますと、今月10日までの1週間に全国の医療機関から報告されたはしかの患者は22人で、ことしの患者数は20の都道府県で167人になりました。

この時期としては、過去10年で最も多く、現在の統計を取りはじめた中では年間の患者数が1万人を超えて大きな流行となった平成20年に次いで多くなっています。

都道府県別では、最も多いのが三重県で49人、次いで、大阪府で47人、愛知県で17人、東京都で11人などとなっています。

はしかは平成22年を最後に日本に定着していたウイルスによる感染は確認されておらず、今回も海外から持ち込まれたウイルスによる発生の可能性が高いとみられています。

WHO=世界保健機関によりますと、この数年、はしかは世界的に患者数が多い状態が続いていて、アジアや北米などで感染が拡大しています。

国立感染症研究所は、はしかは感染力が極めて強く、今後、広範囲に拡大するおそれがあるとして、過去にワクチンを接種した記録がないなど、必要な人はワクチンの接種を検討するほか、感染した疑いで医療機関を受診する際には事前に電話で相談してほしいと呼びかけています。

また厚生労働省は全国の医療機関に対して、発熱や発疹がみられる患者が受診した場合、予防接種の有無や旅行歴を確認するなど、はしかの可能性を念頭において診察にあたるほか、ほかの患者や医師などに感染が広がらないよう対策の徹底を求めています。

「はしか」 感染力極めて強く空気感染も

はしかは「麻疹」とも呼ばれ、感染力が極めて強いウイルスによる感染症です。

飛まつ感染や接触感染だけでなく、空気感染も起きることが知られています。

感染力の指標で、1人の患者から何人の人に感染させる可能性があるかを示す基本再生産数は、インフルエンザでは1人から2人であるのに対してはしかは10人から20人とされ、感染力は10倍以上とする報告もあります。

発症すると、10日ほどの潜伏期間の後、38度前後の発熱が続くなど、最初はかぜのような症状を起こしますが次第に全身に発疹が出るのが特徴です。

ウイルスが肺や脳に入ったり抵抗力が落ちたりして、患者の6%ほどでは肺炎が起きるほか、患者の0.1%ほどで脳炎を発症するとされ、悪化すると、死亡することもあります。

また、感染して5年から10年ほどしてから10万人に1人の割合で脳炎が起きる「亜急性硬化性全脳炎」が起きることも知られています。

さらに妊婦が感染すると流産や早産になるおそれがあるとされています。

日本は平成27年、国内由来のウイルス感染が継続して確認されていないとして、はしかの「排除国」と認定されました。

しかし、この数年、はしかは世界的に患者数が多い状態が続いていて、アジアやヨーロッパ、それに北米などで感染が拡大していて、今回も海外から持ち込まれたウイルスによる感染の可能性が高いと見られています。

はしかの予防にはワクチンの接種が最も重要です。

日本では現在、1歳と小学校入学前の合わせて2回、定期接種することになっていますが、過去には1回の接種だった時期もあります。

はしかが疑われる場合は、事前にかかりつけの医師や医療機関に電話などで症状を伝えてから受診することが必要です。

厚生労働省は医療関係者や保育士など、乳児や妊婦などに接する人は特にワクチンが必要か検討してほしいとしています。

また、専門家によりますと、妊娠中の女性はワクチンの接種ができないので、人混みを避けるようにしたほうがいいとしているほか、今後、妊娠を希望する人はワクチンの接種を早めに受けてほしいとしています

専門家「ワクチン接種で抵抗力を」

感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「はしかは健康であっても感染すれば重い合併症を起こす可能性があり、ワクチンの接種を受けるなどして抵抗力を持っておくことが大切だ。そのため、子どもは定期接種を必ず受けておくようにしてほしい。また、医療関係者や学校の関係者など不特定多数の人と接触する機会が多い人は、特にワクチンが必要か十分に検討してほしい」と話していました。

記事の内容は作成当時のものです

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