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米や英などトップレベルの大学の研究者 男女の昇進に格差

2019.02.08 :

アメリカやイギリスなどにあるトップレベルの大学で、研究者に占める女性の割合は、助教などでは半数を超えるものの、教授など上位の役職になると3分の1に下がることが、医学の分野を対象にした調査で分かりました。調査したグループは、昇進の過程で格差が存在すると指摘しています。

調査は、イギリスやシンガポールなどの国際研究グループが行い、7日、イギリスの医学雑誌、「ランセット」に発表しました。

研究グループでは、ハーバード大学やオックスフォード大学などアメリカやイギリス、カナダの15の大学で、医学のうち公衆衛生学に関わる研究者、合わせておよそ8800人を対象に、性別や人種、役職ごとの割合を分析しました。

その結果、女性は助教などでは56%と、過半数を占めたのに対し、役職が上位になると割合が減り、このうち教授では34%でした。

とくに黒人やアジア系など、マイノリティーの女性は、教授では9%にとどまり、研究グループは「極めて不利な立場にある」としています。

一方で、白人の男性は、助教などでは25%なのに対して、教授で占める割合は46%に増え、研究グループは昇進の過程で格差が存在すると指摘しています。

今回の調査対象は、公衆衛生分野の学部に限られたものですが、研究グループは「世界の大学ランキングで多様性も評価の対象にすることで、格差の解消につながるのではないか」と提言しています。

※掲載された論文はこちらから(※NHKサイトを離れます)
https://doi.org/10.1016/S0140-6736(18)32609-6

アメリカ総局記者

籔内潤也

平成8年入局。京都・大阪・和歌山を経て、平成20年から科学文化部で、再生医療やがん、放射線の影響など医療分野を取材。平成25年から長崎で事件・原爆担当のニュースデスクを経験した後、平成28年からニューヨークにあるアメリカ総局特派員(科学文化分野を中心に担当)。宇宙や医療などの科学分野のほか、トランプ政権で揺れるアメリカの科学、そして、日本の研究の国際的地位の低下を憂慮しながら取材中。

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記事の内容は作成当時のものです

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