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「ゲノム編集」の精度を向上 新たな手法開発 アメリカ

2019.02.05 :

遺伝情報を高い精度で簡単に書き換える「ゲノム編集」の技術を開発したアメリカの研究グループが、さらに精度の高い手法を開発したと発表しました。病気の治療など、応用に向けた研究がさらに進むか注目されます。

遺伝子情報を操作する「ゲノム編集」は、カリフォルニア大学のジェニファー・ダウドナ教授らのグループが2012年に発表した「クリスパー・キャス9」という新しい技術によって、ねらった部分の遺伝情報をそれまでよりも高い精度で簡単に書き換えられるようになり、病気の治療や動植物の品種改良などに応用する研究が世界で加速しています。

4日付けのイギリスの科学雑誌「ネイチャー」に発表された論文によりますと、ダウドナ教授らのグループは、病気を起こすおそれのない細菌から発見した、これまでよりも小さな酵素を使うことで、細胞の中でより正確に遺伝情報を操作できる手法を開発したということです。
グループは、この新しい手法を「クリスパー・キャスX」と名付け、実際にヒトの細胞で遺伝情報を操作できることも確認したということです。
現在の「ゲノム編集」は、それまでの遺伝子組換え技術と比べると数万倍から数十万倍の精度でねらった遺伝情報を操作できるとされていますが、ねらっていない部分も書き換えてしまうおそれが否定できないことから技術の改良が続いていて、今回の成果で病気の治療など、応用に向けた研究がさらに進むか注目されます。

※掲載された論文はこちらから(※NHKサイトを離れます)
https://www.nature.com/articles/s41586-019-0908-x

アメリカ総局記者

籔内潤也

1996年入局。京都・大阪・和歌山を経て、2008年から科学文化部で、再生医療やがん、放射線の影響など医療分野を取材。2013年から長崎で事件・原爆担当のニュースデスクを経験した後、2016年にアメリカ総局(ニューヨーク)特派員。宇宙や医療などの科学分野のほか、トランプ政権で揺れるアメリカの科学、そして、日本の研究の国際的地位の低下を憂慮しながら取材。2019年、科学文化部医療担当デスクに。

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