虐待などを受け居場所が無くなった子どもたち。
そのよりどころとなる里親たちの厳しい実情が明らかになってきました。
虐待や経済的な理由で実の親と暮らせない子どもたちがいます。国はいま、そうした子どもたちを施設ではなく一般の家庭で育てようと、これまでの方針を大きく転換しようとしています。「里親」に預ける割合を小学校入学前の子どもについてはおおむね7年以内に75%以上、小学校入学後の子どもはおおむね10年以内に50%以上まで引き上げるという新たな目標を掲げたのです。一方で、私たちが全国の里親を対象にアンケート調査を行ったところ、多くの里親が養育に「困難」を感じ、施設に戻さざるを得なかったケースもあることがわかりました。

また、実の親と暮らせない子どもたちのなかには、けがや病気で入院し、治療の必要性が低くなった後も、病院に留め置かれている子どもがいます。親などに虐待され、家庭に戻ると、再び虐待される恐れがあるのです。私たちはこうした子どもたちを「退院できない子どもたち」と名付け、問題の解決には社会の受け皿作りが必要だと訴えてきました。

このサイトでは、より多くの子どもが家庭的な環境で健やかに成長できるようにするためにはどうすればいいのか、様々なデータや実例をもとに考えていきます。

NHK 取材班

アンケート
  • 親から虐待を受けるなどして施設で暮らしている子どもたちの間で、性暴力や身体的な暴力が相次いでいることがわかり、厚生労働省は実態調査を行って対策を検討していくことになりました。 続きを読む ≫
  • 実の親と暮らせない子どもたちに聞くと「自分のように里親のもとで暮らせる子どもが増えてほしい」という声が。日本で里親のもとで暮らす子どもはわずか20%弱。なぜなのか児童相談所の職員を取材しました。 続きを読む ≫
  • 里親に預けられている子どもたちは一体どんな思いで日々を過ごしているのか、「ホンネ」を聞いてみました。 続きを読む ≫
  • 重い障害のある子どもや保護者を医療の面から支える全国的にも数少ない施設がさいたま市に完成し、利用を考えている子どもたちが招待されました。 続きを読む ≫
  • NHKが全国の里親を対象に独自にアンケート調査を行ったところ、80%以上が子どもを養育するうえで困難を感じたと回答しました。国は今後、里親への委託率を大幅に拡大する方針で、専門家は、きめの細かい支援が必要だと指摘しています。 続きを読む ≫
  • 親から虐待を受けて入院した子どもが受け入れ先が見つからず、治療が終わっても退院できない問題について、1月15日、小児科医でつくる団体が厚生労働省を訪れ、早急に対策を打ち出すよう求めました。 続きを読む ≫
  • 子どもが親などから虐待を受けたとして児童相談所が対応した件数は、昨年度(平成28年度)、12万件あまりにのぼり過去最多となったことが厚生労働省のまとめでわかりました。 続きを読む ≫
  • 増え続ける児童虐待。国の調査によりますと、去年(平成28年)3月までの1年間に児童相談所に寄せられた児童虐待の相談対応件数は10万3000件あまりに上りました。虐待をした人の半数が実母。一方、虐待を受けた子どものうち2割が3歳未満の乳幼児でした。 続きを読む ≫
  • 虐待などを受け、親元を離れて暮らす子どもについて、厚生労働省はより家庭的な環境で育てていこうと、小学校入学前の子どもの75%を、施設ではなく里親に預けるとする目標を初めて掲げて、対策を進めていくことになりました。 続きを読む ≫
  • 入院中に付き添いの親から骨を折られるなどの虐待を受けた疑いのある子どもが全国の病院で少なくとも65人いたことが小児科医で作るグループの調査で分かりました。「病院にいるなら安全だ」と思われがちな空間で、子どもが傷つけられるケースが相次ぐ実態に、驚きの声が広がっています。 続きを読む ≫
  • 病気もけがもしていない子どもたちが入院を続けている異常な事態が全国の病院で起きています。小児科医のグループの調査でその数は去年までの2年間で少なくとも356人。自宅に戻ると再び虐待を受けるおそれがあるほか、児童養護施設などの施設にも空きがなく、行き場を失ってしまっているのです。私たち取材班はこうした状況を「虐待入院」と呼び、その実情や背景をニュースや番組でお伝えしました。放送後、さまざまな反響があり、その中には「“虐待入院"ってNHK独自の言葉?」など呼び方に疑問を投げかける声もありました。私たちはなぜ“虐待入院"と名付けたのか。そう呼ぶしかない、医療現場や子どもたちが置かれている厳しい現実があったのです。 続きを読む ≫
  • 虐待を受けて入院した子どものうち、治療が終わったにもかかわらず退院できなかった子どもが、去年までの2年間で少なくとも350人余りいたことがわかったことを受けて、厚生労働省は退院後の行き先を決める全国の児童相談所を対象に、近く実態調査を行う方針を固めました。 続きを読む ≫
  • 虐待を受けて入院した子どものうち、治療が終わったにもかかわらず、親元に戻せず受け入れ先もないなどの理由で、退院できなかった子どもが、去年までの2年間で、少なくとも356人いたことが小児科医のグループの調査でわかりました。全国でこうした実態が明らかになったのは初めてで、調査を行った医師は「心や体の発達に悪影響を及ぼすおそれがあり、早急に受け入れ先の施設などを拡充すべきだ」と指摘しています。 続きを読む ≫
  • 親からの虐待が原因で入院し、元気になったあとも病院の中で“暮らしている"子どもたちがいます。私たちは取材班を作り、こうした子どもたちが存在する事情や背景を去年の夏から継続的に取材してきました。その結果、このような現象が一部の地域に限らず全国に広がっている実態が明らかになりました。取材から浮かび上がってきたのは、急増する児童虐待に対応できない社会のひずみでした。 続きを読む ≫
  • 虐待の疑いがある子どもの通告が全国で最も多い大阪で、警察が平成29年度から全国で初めてとなる専門の部署を設けて、対策を強化することになりました。 続きを読む ≫
  • 厚生労働省の専門家会議は、児童相談所が虐待の疑いがある子どもを保護者の同意がないまま2か月を超えて引き離す場合は、適切かどうかを家庭裁判所が審査するなど、虐待を防ぐ取り組みに司法機関が関与する仕組みを導入すべきだとする意見を大筋でまとめました。 続きを読む ≫
  • 虐待などの理由で親が育てられない子どもと法律上の親子関係を結ぶ「特別養子縁組」について、実の親が反対するなどして実現しなかったケースが、平成27年度までの2年間で200件あまりにのぼったことがわかりました。 続きを読む ≫
  • 子どもを虐待する親の中には、ふだんは穏やかな人も多くいます。子育てのイライラをコントロールできず、衝動的な暴力や暴言につながるケースが少なくありません。大阪で、子育て中の母親に人気の講座を取材しました。 続きを読む ≫
  • ソーシャルワーカーは子どもや家族に寄り添いながら、病院や児童相談所などとの掛け橋として、虐待対応チームの要の役割を果たしています。埼玉県立小児医療センターのソーシャルワーカー、平野朋美さんに話を聞きました。 続きを読む ≫
  • 埼玉県立小児医療センターの看護師、近藤美和子さんと曽我貴子さんに話を聞きました。 続きを読む ≫
  • 入院治療の必要がない子どもが病院で過ごすとはどういうことなのか。児童虐待を受けた子どもたちが入院している病院の病棟を取材しました。 続きを読む ≫
  • 相次ぐ児童虐待。深刻なのは児童相談所などが事前に虐待の兆候を把握していながら再び虐待が行われていたケースが多いことです。なかには一度逮捕されたものの不起訴になった後に繰り返されたケースもあり、危機感を強めた検察は再発防止に向けて新たな取り組みを始めました。 続きを読む ≫
  • 埼玉県立小児医療センターでは、放射線科や小児科などの医師や看護師、ソーシャルワーカーなどが「小児虐待対応チーム」を構成し、虐待が疑われる子どもについて、専門的な立場から対応にあたっています。虐待対応チームの活動を取材しました。 続きを読む ≫
  • この問題について、このサイトで意見を募ったところ、「社会的入院」の経験があるという20代の女性から、メッセージをいただきました。女性は、家庭での虐待が原因で、中学生のころ心身に支障をきたし、落ち着いた後も4か月間、社会的入院の状態にあったということです。 続きを読む ≫
  • 虐待が疑われる子どもについて、放射線科や小児科の医師や看護師、ソーシャルワーカーなど専門的な立場から対応にあたる埼玉県立小児医療センターの虐待対応チームを取材した、社会部の野田綾記者の解説です。 続きを読む ≫
  • 虐待を受けて新潟県内の施設に一時的に保護された子どもの歯を調べたところ、ほとんどの子どもに虫歯があったうえ、半数近くが、一度も治療を受けていないことが新潟大学の調査でわかりました。新潟大学は、育児放棄などによって歯磨きの習慣が不十分だったり、経済的な事情で治療を受けられていない可能性があるとしています。 続きを読む ≫
  • 児童虐待などの電話相談を受け付ける全国共通ダイヤル「189」で、大半の電話が機械の音声案内の途中で切れてしまうことから、厚生労働省は、全体の70%近くを占める携帯電話からの相談は専用のコールセンターの担当者が直接対応する方針を決めました。 続きを読む ≫
  • ことし(平成28年)3月までの1年間に、全国の児童相談所が把握した児童虐待の件数は、10万3260件と過去最多になりました。一方、保護された子どもを受け入れる乳児院や児童養護施設には空きがない場合が多くなっています。 続きを読む ≫
  • NHKが、大阪府内の病院に取材したところ、「子どもの社会的入院」には、さまざまなケースがあることが分かりました。 続きを読む ≫
  • かつて社会的入院を余儀なくされた子どもを担当した大阪府内の病院の小児科医が子どものプライバシーを守るため匿名を条件に、取材に応じました。 続きを読む ≫
  • いわゆる「社会的入院」の状態の子どもが大阪府内で、1年間に少なくとも33人にのぼったことが、府の調査で分かりました。都道府県が、「子どもの社会的入院」の実態を独自に調査して明らかにしたのは初めてとみられます。 続きを読む ≫
  • いわゆる「社会的入院」の状態の子どもが大阪府内で、3年間に、少なくとも、のべ168人にのぼったことが、小児科の医師たちの調査で分かりました。調査をした医師は、「ほかの地域でも起きている可能性があり、全国的な調査をして対策を検討する必要がある」と話しています。 続きを読む ≫
  • 虐待によるけがなどで入院し、治療が終わったあとも家庭に戻ることができない子どもたちがいます。再び虐待されるおそれがあり、児童養護施設や乳児院などに空きがないといった理由で居場所をなくしてしまった子どもたちです。医療の現場では「子どもの社会的入院」と呼ばれています。実態調査を行った大阪小児科医会の石崎優子医師に大阪放送局の秋元宏美記者が話を聞きました。 続きを読む ≫
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