子育てのイライラはコントロールできる!

子どもを虐待する親の中には、ふだんは穏やかな人も多くいます。子育てのイライラをコントロールできず、衝動的な暴力や暴言につながるケースが少なくありません。大阪で、子育て中の母親に人気の講座を取材しました。


~つい怒ってしまう~
子育てに悩む親たちに人気の講座

大阪市内で幼稚園や保育所のアルバム制作を請け負う会社を経営する島田妙子さん。年間100か所以上、全国各地を回って、「子育て中のイライラとうまくつきあう方法」について講演しています。

虐待を受けた過去

島田さんは講演で、子どものころ、親から虐待された経験を話します。両親が離婚し、2人の兄とともに父親に引き取られましたが、首を絞められたり、風呂に沈められたりといった仕打ちを受けました。結婚して3人の子どもの母親になりましたが、義理の両親の介護が続く中、心のバランスを崩しました。

当時の気持ちについて、島田さんは、「私は絶対に優しいお母さんになるって決めていたんです。自分は、あんなひどいことは絶対にしないと思っていたのに、子どもの泣き声や言葉に反応して当たってしまいました」と振り返ります。怒りとのつきあい方を知らずにストレスをため込むと、怒りの気持ちにとらわれることを身をもって知ったといいます。虐待された過去をつづった本を出版したところ、大きな反響を呼び、講演の依頼や相談が相次ぐようになりました。

「心」を「見える化」

島田さんは、心をコップに、ストレスをビー玉に例え、見えない心を「見える化」します。怒りやストレスを感じるのは自然なことで、それ自体、否定する必要はありませんが、問題は、心の中に占める割合だといいます。ストレスをため込むと、心に感謝を感じる隙間がなくなり、攻撃的になってしまいます。

島田さんは、怒りを感じるとアドレナリンが出て、6秒でピークに達するといいます。まず大切なことは、怒りを感じたら6秒やり過ごすこと。ここで怒鳴ると、怒りが増幅します。鼻から息を吸ってゆっくりはき出し、やりすごします。そして数日後、何に怒っていたか思い出し、心の中を整理します。怒る価値のあることだったか振り返り、そうではなかったと思えたときは心のコップから、ストレスのビー玉をきちんと取り出すことが大切だといいます。

島田さんに相談した母親の1人から、話を聞くことができました。彼女は、以前は、怒りにまかせて息子に手を上げていました。しかし、子どもと向き合うことから逃げていた自分に気づき、初めて、それまでの行いを反省し、謝ることができたといいます。母親は、「島田さんの前で、初めて自分の弱い面を出せた。『話せた』というほっとした感じが強かった。子どもに向き合えるようになってよかった」と話していました。


子育て中の誰もが直面する怒りの感情。そのつきあい方を知ることで、幸せな親子が増えてほしいと、島田さんは心から願っています。

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