明らかになってきた子どもの「社会的入院」

社会部の野田綾記者が児童虐待を受けた子どもたちが入院している病院を取材しました。

報道局社会部
野田綾記者

入院治療の必要がない子どもが病院で過ごすとはどういうことなのか知りたいと思い、病棟を見せてもらいました。
子どもたちは、ほとんどの時間をベッドの上で1人きりで過ごしていました。泣き出すと、看護師は抱き上げてあやして安心させ、眠りにつくとまたベッドに戻す。起きてる間は、たまに院内の小さな遊びのスペースで看護師やほかの子どもと遊ぶこともあります。
小さな子どもは、家庭であれば、親などの大人がそばにいて、遊んでくれたり抱いてくれたりします。保育園や幼稚園であれば、友達や先生がそばにいて、一緒に歌を歌ったり遊んだりします。病室でこうした経験がないまま育つ子どもの心や体に、悪い影響が出るのではないかと、医師や看護師は心配していました。

医療スタッフのみなさんは、本来の仕事でとても忙しい中、子どもが寂しい思いをしないように、ひとりひとりを気にかけ、できるだけ一緒に過ごす努力と工夫を続けていました。しかし、常に子どものそばにいることはできません。見守りを続ける医療スタッフのみなさんが一番、子どもたちを不憫に感じ、早く家庭的な環境に帰してあげたいと願っていました。
虐待の件数が増える中、施設などの受け皿の確保は追いついていません。私たちは、まず、このような生活を余儀なくされている子どもたちがいることを知り、問題意識を共有することが重要だと思います。そして、子どもたちの居場所を確保するためにはどうすればよいか、多くの人が議論を重ねていく必要があると感じました。

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