2021年 セミ大調査 ご報告(概要編)

2021年「セミ大調査」にご参加くださったみなさま、誠にありがとうございました。
NHKシチズンラボのHPに直接ご投稿いただいた分、および、独自に調査した団体からご提供いただいたデータを合わせて、およそ4か月の期間に計5万件を超えるご報告をいただきました。
そのうち、NHKシチズンラボのHPにご投稿いただいた分については、日本セミの会の監修のもと、写真や動画を手掛かりに種を確認しました。また、「セミの名前が分からない」とご質問いただいた件については、成虫の写真、ぬけ殻の写真、鳴き声入りの動画などを手掛かりに種を推定し、投稿者に回答をしました。
以下に今年度の調査の概要を記します。
①概要
【調査期間】 2021年6月16日~10月31日
【報告件数】 50961件
【報告された種】 16種
調査対象としていた18種のうち、報告があった種/なかった種は次の通りです。
<報告があった種>
クマゼミ、アブラゼミ、ニイニイゼミ、ミンミンゼミ、ヒグラシ、ハルゼミ、エゾゼミ、ヒメハルゼミ、オオシマゼミ、エゾハルゼミ、ツクツクボウシ、コエゾゼミ、チッチゼミ、エゾチッチゼミ、タケオオツクツク、クロイワツクツク、リュウキュウアブラゼミ(報告件数が多かった順)
また、今回は調査対象としていなかったアカエゾゼミ、スジアカクマゼミの報告もありました。
<報告がなかった種>
クロイワニイニイ、イワサキクサゼミ
②都道府県ごとの内訳
●41都道府県から報告がありました。
●一番多かったのは愛知県で、12886件。
●報告がなかったのは福井県、鳥取県、徳島県、大分県、宮崎県、佐賀県。
●クマゼミとアブラゼミの割合に注目すると、大阪府では圧倒的にクマゼミの報告が多く98%を占め、一方、千葉県ではアブラゼミの報告が82%を占めました。クマゼミは西日本に多く生息していることがこの図でも分かります。
●一番多くの種が報告されたのは長野県で10種(アブラゼミ、ミンミンゼミ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、エゾゼミ、ツクツクボウシ、エゾハルゼミ、コエゾゼミ、ハルゼミ、チッチゼミ)が報告されました。
今年の活動報告
●「なりきり!むーにゃん生き物学園」(Eテレ・毎週土曜午前7時10分~)では、埼玉県の小学生たちがセミの出現時期について調査し、その様子と結果を紹介しました。
●NHKシチズンラボのHPから直接ご投稿いただいた報告のうち、写真や動画がついていたものについては、「日本セミの会」の監修のもとすべて種を確認し、より信頼性の高いデータになるように努めました。その他のセミの生態などに関する詳細の質問についても、可能な限りで回答をし、双方向に情報交換をしました。
●セミの観察・調査をしている28団体に参加していただきました。
●愛媛大学ミュージアム主催の「ガイドツアー昆虫展」でNHKシチズンラボ「セミ大調査」の展示をしました。
来年の予定
本年は3月に調査を再開予定です。「セミと言えば夏」というイメージが強いかもしれませんが、実は3月上旬から出現し始めるイワサキクサゼミや3月末~6月末にしか見られないハルゼミなど、春ならではのセミもいます。
今年は見つけられなかったという方、ぜひ来シーズンは挑戦してみてください!引き続きのご参加を心よりお待ちしております!
昨年の報告の内訳や詳しい分析については、引き続き記事で紹介します。近日中に公開予定です。