2024/3/31

セミ大調査2024、スタート!
研究者からのメッセージ

2021年から始まったセミ大調査も今年で4年目となりました。

 

今まで、全国から寄せられた貴重な投稿によって、日本セミの会においても知られていなかった多くの新知見が得られました。本当にありがとうございます。
NHKシチズンラボ・セミ大調査は、日本のセミ類の学術的な発展に大きな力となっています。

 

みなさまからの投稿において、都市部ではアブラゼミが圧倒的な存在をみせていますが、関西地方ではおもに山地でみられてきたミンミンゼミやヒグラシが大阪の都市部の公園でも確認され、神奈川県西部を北限とされてきたクマゼミが関東地方の広い範囲で確認されるなど、生息範囲に変化が起きていることが明らかになりました。

 

私たちの日々の生活でセミたちは、時節を知らせてくれる身近な存在です。
シチズンラボ・セミ図鑑で紹介していますように、日本に暮らすセミは、都市部で多くみられる種をはじめ、地域や標高(平地・山地)などによってさまざまです。

 

東北地方南部を北限に九州地方まで広く分布していたハルゼミは、2000年頃からの全国的なマツ枯れや、都市開発などによって多くの地域でその姿を消していきました。しかしながら、まだ東京都内でも生息している場所もあります。ハルゼミはアカマツやクロマツに依存するセミですので、これからの季節に海岸沿いのクロマツ林や、山へハイキングに行った際にアカマツ林でハルゼミの声が聞こえてくるかもしれません。ぜひ、注意して観察してみてください!ハルゼミは4月から6月まで聞くことができる合唱性のあるセミです。

 


ハルゼミ(羽化してまもないオス)

 

また、北海道では5月になるとエゾハルゼミが鳴きだします。エゾハルゼミは北海道では平地で普通にみられますが、東北では低山地、関東以西では1,000m以上の高山地において観察することができます。6月に多くなります。

 


エゾハルゼミ(投稿者:ゆぅさん)

 

毎年、身近で「よく見られるセミ」以外のセミたちにも目を向けてみるのも楽しみのひとつかもしれません!遠方へのお出かけなどで「聞きなれないセミの声」が聞こえてきたら、ぜひ動画を撮影して投稿してください!もし変わった色や模様の普段と違ったセミを見つけたら、できれば捕獲して、すぐに問合せをお願いします。学術的に貴重なサンプルの可能性がありますので、できれば、回答があるまでは逃がさないでください。

 

今年もみなさまからのセミ情報をお待ちしております!
シチズンラボ「セミ大調査」へのご協力をよろしくお願いいたします。

 

日本セミの会
林 正美 三好智和