2023/5/19

日本最小のセミ イワサキクサゼミを探せ!

アナウンサー 宮﨑慶太

シチズンラボの昆虫担当、アナウンサーの宮﨑慶太です!

 

先日仕事で沖縄に行く機会がありました。

時期は4月中旬、ということはあのセミが出ているのでは??

これは確認しなくては!と、すぐに日本セミの会の三好さんに連絡を入れました。

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すると、例年であればその頃には出始めているはずとのこと。図鑑で見たことしかないため、いろいろ教えていただきました。

 

しかも4月初旬には、一足早く石垣島でそのセミが鳴き始めたとのNHK沖縄の記事が!

これは探すしかない!上司に取材のOKももらい、セミの撮影にもチャレンジすることにしました!

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そのセミというのが「イワサキクサゼミ」。

 

日本最小のセミで、沖縄本島から八重山諸島にかけて生息、ススキやサトウキビなどの葉にとまり葉脈から汁を吸います。

沖縄本島では知念をはじめとした南部方面に生息していましたが、現在では名護市などの本島北部でも確認されています。

 

私が幼い頃読んだ図鑑にも登場していて、印象的な緑の筋が目立つ翅(はね)に手と比較しあまりに小さい体のインパクトの大きさに、一度見てみたい、本当にこんなセミがいるのだろうかとワクワクしたのを鮮明に覚えています。

 

 

イワサキクサゼミに出会うことはできるのか!?

調査当日は風が強く時折雨もパラつく曇り空。しかも前日まで大雨という状況でした。

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航空写真から生息地の見当をつけますが、私有地にはもちろん入れません。そのため狙いは道路沿いのススキに絞りました。

 

果たしてこのやり方で本当に見つかるのか??

そんな思いを抱きながら目的地に向かう途中、急に耳に入ってきた「ジーーー」という鳴き声。「え?もしかしてこれって??え???」

想定外、住宅街での事に驚きを隠せません。

 

そもそも本当の鳴き声を聞いたことがない私、すぐにシチズンラボのホームページで鳴き声をチェックしました。すると、全く同じではないですか!

 

「いる、ここにいる!」

 

しかしそこは私有地のため調査はできません。ただこの周辺にいるということは分かりました。

 

がぜんやる気が出てきた私、ススキが生える場所を見つけるたびに立ち止まり耳を澄ませます。天気も徐々に回復して青空も見えてきました。

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すると、声が聞こえるではありませんか!

しかも通り沿いに生えたススキ、これなら姿も見られるはず!!

 

ただ相手は日本最小のセミ。声は聞こえても姿が見えません。

目を凝らすこと10分、ずっと見ていたはずの場所に小さな昆虫が浮かび上がってきました。

 

これです!分かりますか??

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ここです。

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近づいても逃げないことにも驚きました。

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大きさは親指の爪程、しかも透明な翅(はね)に鮮やかなグリーンの筋が輝くように入っており、とても美しい!

感動の一言でした。

こんなにも小さな体ですが、鳴き声はとても力強いことにも驚きました。

 

見慣れるとススキや周辺の木にとまるイワサキクサゼミが分かるようになってきました。

飛んでいる姿は少し大きめのハエのよう。これは見慣れないと分からないはずです。

 

ぬけ殻やメスは残念ながら時間内に見つけることはできませんでしたが、また探しに来るモチベーションができました

 

これから全国各地、さまざまなセミが姿を見せる時期です。

ぜひ皆さんも、身近な場所で、旅行や仕事先で探して情報をお送りください!私もさまざまな場所でセミの生態を観察したいと思います。