2021/12/20

生理がある人もない人も、

あなたの意見や経験を教えてください

小貫大輔(東海大学 教授)
渥美治世(産婦人科医・東海大学 助教)
調査①
生理と性のことどう教わった?

男性の私が生理の調査に関わっていることに、「え?」と思われる方もいるかもしれません。これまで男性が生理のことを話すことも、どこかタブーな雰囲気がありました。

でも、生理は、生理を体験している人だけのイシューではありません。
私は長年ジェンダーやセクシャリティ、性教育について研究してきました。学生と議論を交わす中で、《生理を体験する》学生さんたちからは生理痛やPMS※(月経前症候群)についてたくさんの思いをぶつけられます。《生理を体験しない》私はポカンとすることもあったのですが、話を重ねるうちに、生理にともなう困りごとは「当人の問題」じゃないんだなと理解できるようになりました。「人類の問題」と言った方がいいのかもしれません。人類の問題を一身に背負っている人を見かけたら、少しはまわりが背負ってあげられないかと考えるようになりました。

どうしたら生理のことをもっとみんなで理解しあえるようになるか、様々な年齢の子どもたちへの性教育に生かせるアイデアはないか、男女(生理のある・なし)にかかわらず広く経験やご意見を聞かせていただけたらと思い、このプロジェクトに参加しています。

東海大学教養学部国際学科
教授 小貫大輔

調査②
あなたは重め?軽め?

みなさんはNHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」をご覧になりましたか?安子、るい、ひなたと、三世代の女性たちが紡いでいく100年のファミリーヒストリー。私は、毎日、次の日の展開が気になり、「はやく明日にならないかな」と待ち遠しく感じています。

女性が一生に産む子供の数(合計特殊出生率)は、上白石萌音さんが演じた安子の時代(昭和の戦前戦後の頃)は3~4人でした。深津絵里さん演じた二代目ヒロイン・るいの性成熟期(昭和40年代)は約2人、川栄李奈さん演じた三代目ヒロイン・ひなたの性成熟期(昭和60年代)は約1.5人、そして現在は1.36人とみなさんご存じのように日本は少子高齢化社会を迎えています。妊娠期と授乳中の一定の期間、女性はそれまであった生理が自然に止まりますが、子どもを産む機会が少ないということは、その分、毎月の生理を重ねるということになります。さらに初経を迎える平均年齢も昭和の初めの頃は14歳くらいでしたが、現在では12歳と若年化しています。

このように、女性が一生の間に経験する生理の回数は昔と比べて格段に増加しており、それに伴って生理にまつわる諸症状に悩まされる方も多くなってきています。みなさんは、ご自身の生理とどのように付き合っていますか?がまんしすぎていませんか?生理にともなう困難で、ご自身らしさを失っていませんか? 生理を経験する人が、より快適に活き活きと自分の人生を歩むためにできることはないかを調べています。みなさんの声をぜひお聞かせください。

産婦人科医
渥美治世(東海大学医学部・助教)