「動物の利き手」大調査 中間報告
「動物の利き手」大調査、2022年3月1日~4月19日までの期間に、イヌ67件、ネコ78件、その他4件の回答が集まりました。
ご参加くださった皆さん、たくさんのご投稿ありがとうございました。
5月7日に放送された「みんなで解決!子ども科学電話相談」では、皆さんの投稿をもとに、菊水健史さん(麻布大学教授)が分析を進め、結果を発表しました。その内容を中間報告として記載します。
①利き手のあるなしについて
イヌは右利きが51%、左利きが33%、利き手なしが16%でした。
ネコは右利きが32%、左利きが35%、利き手なしが33%でした。
これらの結果から、菊水さんはイヌ・ネコには利き手があると考察しました。
②性別による差について
さらに菊水さんは、性別によって結果は変わるのかと疑問に思って調べてみると、ネコに関しては、興味深い結果が出ました。
その結果、ネコのメスは左右の利き手がほぼ均等なのに対し、オスは左利きが多いということが分かりました。
この結果について、菊水先生は下記のように考えています。
つまり明らかな性差を表すこの結果は、ネコが性別によって脳の運動に関わる部分の使い方が違うことを示す、貴重なデータだと考えられます。
③全国各地の動物園での調査について
全国各地の動物園にも協力を呼びかけ、調査に参加してくれる動物たちは30種類も集まりました。そのうち、特に調査数の多かった動物たちの利き手をまとめました。
(インコ、レッサーパンダ、パンダ、チンパンジー、ゴリラの場合)
この中で、利き手の左右差が顕著なのがゴリラで、59%もの割合を右利きが占めていることが分かりました。しかし、それ以上に利き手に偏りがあるのが人間です。人間は、9割が右利きだと言われています。
菊水さんは、多くの動物に利き手があると分かったことは、大きな発見であると考えています。どのような影響で動物の利き手が決まるのかは今のところ分かっていませんが、経験などを通して偏る説が今のところ有力なのだそうです。
「イヌにも聞き手はあるの?」という疑問を寄せてくださった渡邊優希さんは、「面白かった。動物って利き手を調べるのは大変そうなのに、いろいろ工夫して調べてくれてちょっと嬉しかったです。」と話してくれました。次は昆虫に利き手があるのかも知りたいそうですよ。
「動物の利き手」調査は2022年6月30日まで募集を受け付けています。引き続き投稿をお待ちしております。