「こころ」の研究

2023/4/28

日本の子どもは幸福度が低い?

突然ですが、あなたは今、幸せですか?

 

何をもって幸せと感じるかは人によって違いますが、実はある調査で、日本の子ども・若者の「精神的幸福度」が、世界各国と比べると著しく低いということがわかってきました。

 

調べたのは、ユニセフのリサーチ部門であるイノチェンティ研究所。その研究所が2020年9月、子どもの幸福度(well-being)を多層的・多面的な新しいモデルで分析した結果を発表しました。この記事では、その調査結果をご紹介します。

 

調査では、幸福度を3つの側面から、結果を導きました。

①精神的幸福度:生活満足度が高い子どもの割合や自殺率

②身体的健康:子どもの死亡率、過体重・肥満の子どもの割合

③スキル:読解力・数学分野の学力・社会的スキル

 

それによると、日本は「身体的健康」は世界38か国中1位だったものの、「精神的幸福度」は下から2番目の37位だったのです。(スキルは27位)

「精神的幸福度」が世界各国と比べて低い…その具体的な調査結果はこちらです。

 

 

「精神的幸福度」を測る設問の1つは、「最近の生活全般にどれくらい満足しているか?」(生活満足度)というものでした。

満足度を0(最低)から10(最高)の数字で回答します。皆さんならどう回答するでしょうか…?

 

日本では、6~10と答えた子どもが62%のみでした。「6」もそう高い数字ではありませんが、それでも62%しかいなかったのです。これは、トルコに次いで2番目に低いものでした。

 

この結果に加えて、自殺率の結果も加味した「精神的幸福度」が、調査した38か国の中でワースト2だった、というわけです。

 

報告書では、子どもの幸福度は、「子どもの世界」に加えて、「子どもを取り巻く世界」、そして「より大きな世界」に影響を受けると考えられています。

つまり、子どもが直接経験する行動や周囲の人との人間関係だけでなく、子どもの家庭の経済状況や住む地域の環境、さらには政策や社会的要因なども含まれるのです。

 

どうしたら幸福度をあげられるか。ユニセフでは、こうした周囲の世界に関する調査も行いながら、経年変化を見ています。
※今回ご紹介した、ユニセフ発表の詳細なレポートはこちらから見られます。(NHKサイトを離れます)

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NHKでは、この調査結果を受けて、子どもや若者の幸せについて考えるプロジェクト「君の声が聴きたい」がスタートしました。シチズンラボ「“こころ”の研究」も、プロジェクトに参加しています。

 

生活満足度と「こころ」の健康を保つことは密接にかかわっています。自分がどうしたら心身共に健康でいられるかを考えることは、満足に生活すること、そして幸せだと感じられることに繋がります。

 

シチズンラボの「“こころ”の調査」に参加して、こころの健康について一緒に考えてみませんか?皆さんの参加をお待ちしています。

 

調査への参加はこちらから