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つながって商店街の再生を Part3 地域を知って宝をさがそう

つながって商店街の再生を Part3 地域を知って宝をさがそう

2018年12月5日更新

埼玉県秩父市と深谷市の商店街を視察し、大きな刺激を受けた下田市商店街の人たち(Part2「商店街はテーマパーク!」)。さっそく商店街再生のスローガンを決めたものの、よく考えてみると、実は自分たちも、同じ商店街のお店のことをほとんど知らないのでは…。そこでまずは、自分たちが押しかけてみることに。地域の中に多くの宝が埋もれていることがわかってきました。店主同士がつながり、地域が動き出しました。
※『ふるさとグングン! “人のつながり”で商店街の再生を~静岡・下田市~』(2018年10月21日放送)の内容をまとめたものです。

[動画]つながって商店街の再生を【3/3】地域を知って宝をさがそう

視察から3日後、さっそく「店主の顔が見える商店街」を再生のスローガンに決めた、下田市商店街の面々。しかしよく考えてみると、実は自分たち自身、同じ商店街のお店のことをほとんど知らないことに気がつきました。そこでまず、自分たちでお店に押しかけてみるツアーを実施することに。いろんな商店主に話を聞いてみると、地域の中に多くの宝が埋もれていることがわかってきました。店主同士がつながり、地域が動き出しました。

ふるさとグングン!
“人のつながり”で商店街の再生を~静岡・下田市~
(2018年10月21日放送)

視察から3日後、下田の商店街の人たちが、商工会の会議室に集まりました。どうすれば商店街のつながりを作り、客足を取り戻せるか意見を出し合います。

介護用品店主:「深谷に行って思ったのは、そこのお店に行って、そこの人と会話のやりとりだとか、それが楽しい、そこで買いたい。そこの付加価値だろうなと思ったんですよね。」

高橋さん:「目標を置くとしたら、『商店主の顔の見える商店街』っていうのはどうかな?」

商店街再生のスローガンは「店主の顔が見える商店街」。これに決定!
各お店の店主と顔を合わせて話す楽しさを、前面に押し出していこうという提案です。しかし・・・

寝具店主: 「どこのお店が何をやってるか、あんまりよくわからないから。お客さんが来て何か欲しいってうちに来たときに、それがどこに売ってるか、わかんない時があったり。」

平山さん: 「お店の名前はわかってても、その人の名字なんだっけ?みたいなのもありますし。」

実は、自分たちが他の店について、あまり知らないことに気づきました。

「まず横のつながりをちゃんと構築してから、少しずつ色んなものに移れるのかな」
「まず自分たちが回ってみよう。っていうのを実際してみる」
「押しかけで回るツアーみたいなのはやるべきかなと思いますよね。」

商店街の魅力を掘り起こすため、色々な店に押しかけて回ることにしました。

9月上旬。商店街押しかけツアーのスタートです。

まずやってきたのは、あの帽子専門店。商店街の人たちが、店について詳しい話を聞きに来るのは初めてのことです。

高橋さん:「創業とか、基本的なことお聞きしていいですか?」

帽子専門店主 松永哲哉さん:「最初は東京なんですよ。」

「あ、そうなんですか」

松永さん:「それでいい所だっていうので、先代がね、下田に店出して。これは昔の漁師の帽子なんですけどね、こういったものが専門なわけ。」

港町らしいこの作業帽は、ご主人の手作り。お客さんの好きな生地で帽子を作る「セミオーダー」。このお店では生地を持ち込めば一点3000円ほどで作れるといいます。

「手ぬぐいとかじゃ薄すぎる?」

松永さん:「手ぬぐいとかで作ってますよ。」

「例えばどういう形?」

松永さん:「ハンチングとか。手ぬぐいの柄を生かして」

「子ども用とかもやられてるんですか?オーダーで?」

松永さん:「生地を持ってきてくださればできる」

「作ってほしいなあ(笑)」

(店を出て)「子どもの頃は入ったけど、本当に何十年ぶりに入った。」

「でも新発見がいっぱいあって、作りたいと思いますよね。」

次は観光客にも人気の干物店です。先月代替わりしたばかりの若社長が迎えてくれました。
干物の種類は、あじ、さば、かます、金目鯛。港町下田とともに歩んできた、歴史あるお店です。

社長 小木曽正治さん:「創業が1900年。明治33年。最初は缶詰工場をやってまして。あそこは缶詰を日英博覧会に出した時に銀賞をもらった賞状。」

高橋さん:「そうなんだ!」

藤田さん:「そんなのみんな知らない。もっと前面に出したい。」

明治時代にロンドンで行われた日英博覧会。銀賞を受賞したエピソードは、商店街のPRに使えそうです。

さらに紳士服店やおもちゃ店、和菓子店などを回り、商店街の未来を担う若い後継者たちとも話をすることができました。

生花店主:「下田の商店街はもっと何か、タッグを組んだ方がいいと思います。」

これならここ下田でも、商店街の店主を訪ね歩くツアーを始めることができそうです。

「競争ではなく、共に助け合いながら生きていく『共生』の世界を、商店街を中心に作っていかなくてはいけないのでは。商店街は地域の顔。商店街が元気になれば、地域全体も元気になります」と島田さん。
下田の商店街の活動は、その後も広がっているとのことです。