2017年11月16日更新
仕事一筋で地域に関われなかった人たちも、
一歩踏み出せば、新しい世界が広がります。
ボランティアなど地域活動の中心を積極的に担っているのは、多くの場合、女性たちです。一方で、特に仕事一筋の会社人間だった男性たちの場合は、定年退職後もなかなか地域で人間関係を作れず、孤立してしまうことが少なくありません。長いあいだ時間を勤務先で過ごし、生活の場と切り離されてきた男性たちが、地域とつながり直して充実した生活を楽しむには? 動画からヒントを探ってみましょう。
地域デビューは「お見合いパーティ」から
定年退職後に地域で何らかの活動をしたいと考えている男性たちは少なくありません。とはいえ、知り合いもいないし、何をしていいのかわからない…。尻込みしがちな男性たちの背中を押そうと、「お見合い」パーティが開かれました。地域活動団体と退職者の出会いの場を作る試みです。
お父さんの地域デビューを後押し
東京都八王子市で定年退職者向けに「お父さんお帰りなさいパーティー」と銘打ったユニークな会が開かれました。会社中心の生活から地域生活へのデビューを後押ししようと、地元のNPOが企画。地域で何かしたいという男性たちと、地域で活動している市民グループとの“お見合い”の場です。会社生活の中で培った経験を地域社会に活かすにはどうしたらいいのか、市民グループ側も男性側も互いに試行錯誤しています。
福祉ネットワーク
シリーズ 団塊シニアの挑戦 (1)地域デビューは難しい!
(2006年10月9日放送)
地域で「育ジイ」はいかが?
ゆったり退職後の生活を楽しむつもりが、近くに孫がいなくてさびしい思いをしている人も多いのではないでしょうか。それならばいっそ、地域の「育ジイ」をめざしては? また逆に、孫の世話で忙しい人、誰かに助けてほしいと思っている人は、「育ジイ」が頼りになるかも。現役時代には子育てを一切しなかったという男性たち。今や、地域の子育ての力強い担い手になっています。
「地域のおじいちゃん」が子育てを応援
育児に忙しい親たちの力強い応援団として注目されているのが「イクジイ」。地域の子育てに積極的に関わろうという高齢男性たちです。全国のファミリーサポートセンターに登録する男性は、5年間で倍増。三重県では退職男性対象の育児講座も始まりました。かつて子育ては女性の仕事とされ、育児にまったく関わらなかった会社人間の男性たちが、退職後に「地域のおじいちゃん」の役割を果たすことで、地域の大きな力になります。
サキどり↑
見直されるか?祖父力!
(2011年9月18日放送)
定年退職後の男性たちが地域づくりの担い手に
長年はたらく中で、さまざまな技能や経験を身に着けてきた男性たちは、地域にとっても大きな力となることができます。いくつかの地域では、行政が積極的に高齢シニアにはたらきかけ、地域の課題解決に手を貸してもらっています。
団塊シニアの知識と経験を生かして地域課題の解決
定年を迎え始めた団塊世代。しかし会社人間だった人ほど地域に溶け込めず、家にこもりがちになるケースが少なくありません。千葉県柏市は、高齢シニア向けに「生きがい就労」を行っています。農業の人手不足、子育て支援、高齢者介護など、地域の重要な課題解決に力を貸してほしいと、敬意をもってお願いし、賃金も支払うことがポイント。高知県では、退職後に移住した編集者が、企画力や情報発信力を生かして地域PRの仕事をしています。
クローズアップ現代
団塊パワーを活用せよ~アクティブシニアが地域を変える~
(2013年12月10日放送)
無理せず楽しく
とはいえ、がんばりすぎるのは禁物です。現役で仕事をしていた時のプライドが邪魔をしたり、無理をしすぎて、かえって体調を崩してしまうことも。地域デビューに失敗して苦しんだ経験をもつこちらの男性。新しい気持ちで一からやり直し、今では、地域の子どもたちや高齢者の大きな支えとなっています。
退職高齢者が担う子育てボランティア
定年退職後に地域にどう溶け込むかは、特に会社人間だった男性にとって大きな課題です。千葉県柏市では、自身も退職後に苦しんだ経験をもつ男性が、子育て・教育ボランティアを行うNPOを立ち上げました。今では100人以上の高齢者ボランティアが、コミュニティカフェや登校見守り、学校図書館などで活動し、地域に欠かせない存在に。さらに、孤立しがちな高齢者に個別に声をかけ、活動の輪に引き込む役割も果たしています。
サキどり↑
65歳デビュー!成功の秘策はコレだっ!
(2014年7月27日放送)
いっしょに汗を流して生まれるつながり
仲間たちといっしょに汗を流すことは、これまで疎遠だった地域とのつながりを回復する絶好の機会です。大阪府のベッドタウン豊中市の真ん中に生まれた都市農園。ここでは、定年退職した男性たちが共同作業をすることで、楽しみながら仲間をつくっています。さらに、畑でとれた生産物を地域の人たちに買ってもらうことで、より広いつながりも生まれています。
農園から生まれる“創縁”社会
住民ボランティア活動が盛んな大阪府豊中市では、社会福祉協議会の呼びかけで定年退職後の男性たちが集まり、「豊中あぐり」と呼ばれる農園を開きました。男性たちは、共同作業で汗をかきながら野菜を作り、顔見知りも増え、さらに地域の実情についても学んでいきます。農園をきっかけに、かつては女性がほとんどだった地域活動に大きな変化が生まれています。「無縁社会」を乗り越える「創縁社会」への挑戦が続いています。
ふるさとの希望を旅する
無縁”から“創縁”へ 都市の地域づくり
(2016年11月23日放送)