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地域づくりナビ

意外な場所から始まる“つながり”

意外な場所から始まる“つながり”

2017年11月16日更新

地域に拠点がない?
周りをよく見渡せば、可能性はいろんなところに隠れています。

薄れつつある人と人とのつながりを、なんとか作り出そうと苦労している地域は多いのでは。交流サロンやコミュニティカフェなどの取り組みは各地でよく行われていますが、今回は、ちょっと意外な場所で生まれている「つながり」にスポットをあててみましょう。

空きスペースで…

団地のみんなが集まってくるのは、商店街にある空きスペース。この空間では、住民同士が持ち込んだものを物々交換するだけでなく、持ち込んだものでイベントをしたり、時には居酒屋が出現したり。誰もがふらっと立ち寄れて、ゆる~く交流できる場所です。

モノと人々が集まる物々交換所

埼玉県北本市の団地内、商店街の空き店舗にある不思議な空間「リビングルーム」。家々から集まってきた家具や雑貨の物々交換を通して、人々のつながりを生み出します。時には集まってきたモノたちを使ってイベントを開いたり、時には居酒屋が出現したり。緩やかで暖かい時間が流れるこの場所には、お年寄りや子ども、孤独や生きづらさを抱えた人、認知症の女性など、さまざまな人たちが今日も立ち寄ります。

ハートネットTV
リビングルームで会いましょう~団地の物々交換所に集う人々
(2014年6月17日放送)

自宅で…

近所に適当な場所がないなら、自宅を使ってみては。堺市では、住民のうち約30軒が自宅を開放して、マージャン教室やお琴の講座などの活動をしています。これなら、外出が難しい高齢者でも、近所との交流が途絶えることはありませんね。

お年寄りの自宅を開放した「住み開き」で支え合い孤立を防ぐ

大阪府堺市の泉北ニュータウンでは、住民のうち約30軒が自宅を開放してマージャン講座や料理講座、かな文字講座、お琴講座などを行っています。参加費は一律500円で友人紹介の会員制。子どもが独立した高齢夫妻、病気で体が不自由になって外出できない男性、夫に先立たれた高齢女性などが自宅を開放したり講座に参加したりすることで、自宅に居ながらにして他者と交流し、高齢者同士が支え合う基盤をつくっています。

サキどり↑
家を開放して新たなつながりを
(2014年10月5日放送)

学校で…

学校を、子どもたちだけが集まる場所にしておくのはもったいない。この地域では、大人たちが学校に集まって、さまざまなサークル活動を楽しんでいます。子どもたちも、親や先生だけでない、地域のさまざまな大人たちと関わりながら、幅広い体験を通して学習していくことができます。

学校は街のみんなの社交場

千葉県習志野市の秋津小学校は、近所の住民たちのサークル活動の拠点として、34団体による多彩な活動が繰り広げられています。生涯学習指定校に選定されたことをきっかけに、学校と地域の人々が一緒にオペレッタ(軽歌劇)を上演したことから、親たちや地域の人々の間に、学校に積極的に関わろうという機運が生まれてきました。教員たちに負担をかけずに学校を地域に開くため、空き教室を利用してコミュニティルームを自主運営しています。

未来派宣言
学校は街のみんなの社交場
(1999年12月2日放送)

介護施設で・・・

こちらの特別養護老人ホームには、利用者だけでなく、多くの住民たちが集まってきます。住民たち自身の自主的なアイデアにまかせるボランティア活動は、施設を飛び出し、地域全体のお年寄りの生活をささえるまでに発展してきました。

住民ボランティアを活用し地域ぐるみで介護を支える

兵庫県尼崎市の特別養護老人ホームを運営する中村大蔵さんは、地域に開かれた施設づくりをめざしてきました。ルールは「お年寄りの嫌がることだけはしない」のひとつだけ。住民ボランティアがアイデアを出しあって、つぎつぎとユニークな取り組みを展開してきました。いまやボランティア活動は施設を飛び出し、地域全体で高齢者をささえる仕組みが広がっています。

明日へ 支えあおう 復興サポート
地域のつながりが新しい介護をつくる ~宮城・気仙沼市~
(2014年11月23日放送)

お寺で…

お寺は葬式の時だけに関わる、できれば行きたくない場所?でもこのお寺には、地域の人たちが毎月楽しむためにやってきます。人々の苦しみによりそい、国際ボランティア活動にも関わってきた住職の高橋卓志さん。地域の暮らしを支えるお寺として、さまざまな活動を展開しています。

地域で生老病死をケアするお寺

長野県松本市の神宮寺には、お年寄りが毎月イベントを楽しみに集まります。収支を情報公開したり、宗派の形式によらず、ひとりひとりの意思を尊重して葬式を行うなど、ユニークな取り組みで知られる住職の高橋卓志さん。戦没者慰霊の旅に参加した体験をきっかけに、生老病死にまつわる苦を、国境を越えて支える活動を行ってきました。さらにケアのまちづくり計画に関わるなど、地域のケアを支える存在としての寺を目指しています。

ETV特集
お寺ルネサンスをめざして
(2006年1月14日放送)

どんな場所でも、人々が自由に交流できれば、地域の中につながりを作り出し、人々の生活をささえる拠点になることができるんですね。先入観にとらわれず、つながり始める場所を探してみませんか?