2016年12月1日更新
美味しい食事を楽しみながら、それぞれの地域がもつ
豊かさを発見する旅に出かけてみましょう。
伝統野菜のパワーを料理で実感!
「食」のパワーを実感させてくれるシェフがいます。庄内地方だけで70種類以上と言われる伝統野菜の個性がキラリと光る料理を生み出しています。大量生産・大量消費のシステムの中で消えつつある伝統野菜を守るために、さまざまな人たちと連携しています。
地元野菜を生かした料理で地域を元気に
庄内地域だけで70種類ほどもあるといわれる在来野菜。素材の味を生かすシェフの奥田政行さんは、農家や研究者と協力して、消えかけていた在来種の保存と復活に取り組んできました。かつて無登録農薬問題で農業が大きな打撃を受けた山形を、「食の都」として復活させるために、加工業者をはじめ、地域内のさまざまな人々とネットワークし、加工製品の開発にも取り組んできました。人とつながり、食で地域を元気にしています。
東北発☆未来塾
食のチカラ 食で地方をよみがえらせる
(2014年5月12日放送)
豊かな食を発見しに行こう
庄内野菜の例からもわかるように、実は日本の地域のひとつひとつが、スーパーには並ばない、個性豊かな食材の宝庫といえます。高級レストランはなくても、美しい里山を抱える佐賀県・菖蒲地区も、貴重な食材を育んできた地域のひとつ。その生かし方を知りぬいている地域の女性たちが作る料理は、最高のおもてなしです。
地域の食材を使って女性たちが作る伝統料理の食事会
佐賀県富士町の菖蒲地区で月1回開催される食事会は、地元の豊かな食材を使って地域の女性たちが作る「菖蒲ご膳」が大人気。メニューは毎回、季節の食材をもとにみんなで考え、数日かけて食材を集めます。過疎化が進む地域を元気にしたいと始めた食事会は、今では県外の客も含め、毎回100人近くが参加するまでになりました。食事会を通して女性たちも地域の豊かさを実感。訪問客との会話も大きな楽しみになっています。
たべもの新世紀
食の挑戦者たち 土地の恵みを生かす
(2002年8月11日放送)
作った人とつながろう
ふだんから新鮮で安全な美味しいものを食べたいなら、時には、農家や漁師さんから直接食べものを買ってみるのはいかがでしょう。届いたものを通して、作る人の苦労や思いを知ると、味わいもひとしお。さらに生産の現場に足を運び、作る人たちと出会うと、食べものが違って見えてきます。
“知産知消”が生み出す力
生産者から商品を直接購入する「知産知消」が広がっています。東日本大震災をきっかけに、岩手県大船渡市の漁師から海の幸を取り寄せ、さらに現地に足を運び交流する消費者も。秋田県潟上市の米農家のもとには、田んぼがぬかるみ稲刈り機が使えなくなったときに、都会の消費者が稲刈りの手伝いに訪れました。消費者が作り手の顔が見える安心感を得たり、生産の現場を知ったりするだけでなく、生産者のやりがいにもつながっています。
サキどり↑
見つけてつながる!MY農家
(2015年9月13日放送)
責任ある消費者になろう
長い時間をかけてていねいに取り組んでも、天候や災害に左右され、一瞬にして全てを失うリスクが食べもの作り。それがわかってくると、もう「ただの消費者」ではいられません。「地域支援型農業(CSA)」は、消費者が生産者と自然条件によるリスクを分かち合う、新しい温かな仕組みです。
農家と消費者がリスクを分かち合う新しい農業
岩手県遠野市の米農家・伊勢崎克彦さんは、農薬と化学肥料を使わずにつくったお米を、消費者と契約を結んで直接販売しています。収穫前にお米代を支払い、収穫後にお米を受け取ることができますが、凶作でお米が取れない場合でも返金しなくてよい約束です。自然条件に左右されるリスクを生産者と消費者が分かち合う仕組みで、「地域支援型農業(CSA)」と呼ばれています。消費者が農作業の手伝いに訪れることもあり、交流も生まれています。
明日へ つなげよう 復興サポート
温かな手と手をつないで~熊本・益城町~
(2016年7月10日放送)
いい農産物を作るために、農家の方が特に力を入れるのは土づくり。いい土ができるには、一世代では終わらない長い時間が必要だと言います。さらに、周囲の山林や川が豊かに守られていることも、重要な条件です。私たちがいただく食事の背景には、地域の中で自然とともに暮らしてきた農家や漁師さん達の長い時間の積み重ねがあるのですね。
美味しい食事がこれからも食べられるよう、自然と調和した持続可能な農業や漁業を後押する、自覚的な消費者を目指したいものです。