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地域づくりナビ

地域の生活を中心に仕事をつくる

地域の生活を中心に仕事をつくる

2016年11月28日更新

その人らしい暮らしと仕事のやりがいを両立させるには?
地域に根差した仕事の作り方。

忙しく仕事に追われ、食事もファースト・フードという生活が続くと、空しくなってしまうこと、ありませんか? 自分の生活を仕事に合わせるのでなく、自分らしい暮らしを中心にした働き方を、どうやったら実現していけるでしょうか。自然豊かな環境で地域に根差した仕事を作り出している事例から、ヒントを探ってみましょう。

その仕事、都市でやる必要は?

小川の中でPC? ゲームで遊んでいるように見えますが、れっきとした仕事中です。このIT企業は、徳島県神山町の古民家にオフィスを移しました。「東京で電車通勤をするのが苦痛だった」という社員も、ここでは仕事のかたわら、農業を楽しむ生活を送っています

ITで過疎の町がよみがえる

高齢化率46%、人口5800人あまりの徳島県神山町が、今「ITの町」として注目を浴びています。その秘密は、町が町内全域に張り巡らせた超高速の光ファイバー網。理想的な通信環境が実現し、空き家だった古民家が最先端のサービスを提供するIT企業のオフィスとして次々と生まれ変わっています。また、働きたいと移住してきた若者と、地元住民の交流の中から、地域の課題を協力して解決しようとする新しい動きも出てきました。

ふるさとの希望を旅する
地域再生のヒントを求めて
(2015年10月12日放送)

もういちど社会と関わるステップに

過大な仕事上のストレスは、若い人たちが自信を失い、ひきこもってしまう要因のひとつでもあると言われます。でも彼らが働く意志や力をまったく失くしてしまったわけではありません。むしろ多くの人は、もういちど社会と関わるチャンスを求めています。藤里町の就労支援は、地域の中に暮らしている多様な人々の力を引き出し、生かす試みでもあります。

ひきこもりを地域の力に ~秋田・藤里町の挑戦~

全国に70万人といわれるひきこもり。秋田県藤里町では、働く世代の10人に1人がひきこもり状態です。その多くは都会で職を失い、地元に帰っても仕事に就けず、周囲の目を気にして孤立していました。地域とのつながりを回復させようと、町では、簡単なボランティアやアルバイトのできる「中間的就労」の場を作ったり、後継者不足の商店街復活に彼らの力を活用する取り組みを開始。30人が職を得るまでになりました。

クローズアップ現代
ひきこもりを地域の力に ~秋田・藤里町の挑戦~
(2013年10月28日放送)

支えてもらえるから働ける

かつて仕事のストレスと疲労から、統合失調症を発症してしまった男性。デイサービス施設のヘルパーとして働く今も体調を崩しがちですが、同僚や利用者のお年寄りたちは「そのままでいいちゃ」と見守っています。多様な人たちのありようをそのまま受け止めてくれる地域は、誰もが誰かを支えることができる地域でもあります。

統合失調症のヘルパーが障害をもつ人たちを支えるデイサービス施設

富山県立山町の「いい茶家」は、お年寄りや障害者がともに過ごす富山型デイサービス施設。ヘルパーとして働く清水崇宏さんも統合失調症を抱えています。体調が悪いと寝込んでしまう時もありますが、スタッフやお年寄りは「そのままでいいちゃ」と見守っています。妻の利恵さんとともに地域で介護の仕事を始めて、自分たちも地域に支えてもらっていると言います。自分自身も苦しんだ経験から、障害をもつ人たちを支えています。

きらっといきる
“いいちゃ”で支え 支えられ~統合失調症・清水崇宏さん~
(2010年2月5日放送)

無理せず働ける場を地域につくる

長野県小川村で人気の「おやき」店。機械を使わず、ひとつひとつ手作りしているのは、昔ながらの味へのこだわりだけでなく、ひとりでも多くの人に働く場を提供するためでもあります。高齢者や小さい子どものいる親が無理なく働けるよう、ここにはなんと「お昼寝タイム」も。ひとりひとりの暮らしのリズムにあった働き方が実現されています。

伝統食「おやき」で村に働く場を

長野県小川村では、衰退した地場産業の養蚕に代わる地域住民の雇用の支えとして、住民有志がおやき製造販売会社を設立。昔ながらの味が人気を集め、年間650万個を売り上げる大ヒット商品になりました。正社員雇用で定年なし。各人が出勤日数を決め、昼食後には昼寝時間を設けるなど、高齢者の体力に配慮。社員同士が各人の事情をくみ取った、家庭的で誰もが働きやすい勤務形態です。新規採用も続け地域の雇用を生んでいます。

生活ほっとモーニング
シリーズ 不況ニッポンを元気に!(2)“スーパー農村”に学べ
(2009年3月12日放送)

地域のつながりを再生する仕事づくり

津波で打撃を受けた宮城県男鹿半島沿岸部。牡蠣工場の仕事を失ってしまった女性たちにとって、仕事の場をつくることは、収入を確保する以上に、仲間たちとのつながりを回復することを意味していました。ここでは、規模を大きくしたり雇用を増やすことよりも、その人にしかできない仕事や、本人が望むペースを大事にした仕事づくりをめざしています。

被災地で「地域を取り戻す」仕事づくり

宮城県牡鹿半島では、震災で仕事を失った女性たちが魚網で作るアクセサリーを販売。コミュニティーに根差した仕事は、女性同士のつながりを取り戻す場にもなっています。この仕事を足掛かりに地域の魚を使った弁当屋を始めた女性たちは、弁当販売を通して復興の工事作業員たちとの交流が生まれました。「地域を取り戻す」仕事を生み出す秘訣をジャーナリストの津田大介さんが探ります。

ハートネットTV
未来へのアクション 「津田大介が探る 復興のカギ」
(2013年2月25日放送)

生産性や利益を重視する職場では、どうしても若く元気で能力が高く、家族のケアに時間をとられることが少ない人たちに仕事が偏りがち。でも地域の中には、さまざまな事情をもつ多様な人々が暮らしています。働くことは、社会とつながって生きること。それぞれの人のありようをそのままに認め、その人の暮らし方に合った働き方を考えていくことは、新しい地域のあり方を考える上で、とても重要なことのように思います。

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