2024/5/4

アメリカのZ世代を中心にブームとなっている「アタッチメントスタイル」

 アタッチメントとは、「不安や恐怖を感じたとき、特定の誰かにくっついて不安を解消し、安心感を得ようとする欲求や行動」のことですが、そのくっつき方には個人差があります。アタッチメントの個人差は、その人の「人間関係の築き方のクセや行動の傾向」に現れ、それを「アタッチメントタイプ」「アタッチメントスタイル」と呼んでいます。

アタッチメントとは_wm_1920x1080
 不安なときに、安心させてほしいと求めるアタッチメントの対象は、幼少期は主に親などの保護者ですが、成長とともに友人や仲間、恋人やパートナーへと移っていきます。
こうしたアタッチメントの対象となる特定の人とのあいだで繰り返されてきたやりとりは、特定の人との関わりだけでなく、一般的な対人関係におけるひな型となります。
相手の表情や、ことばのとらえ方、距離のとり方など、人との関わり方のクセや傾向として現れます。5/4放送のNHKスペシャル「アタッチメント」では、代表的な3つのタイプを紹介しました。

アタッチメント3タイプ_
 アメリカの若者たちは、自分や友人、パートナーのタイプを理解することで、人と関わるときの不安がなくなり、無駄な衝突を避けられると言っていました。
人間関係において、「なぜそういう行動をとってしまうのか?」「相手のことが気になりすぎてつらい」といった不安や考え方のクセは、私たちの自覚のない意識下で形作られていると、アタッチメント理論では考えられています。

アメリカのカップル_wm_1920x1080
 大人のアタッチメントタイプの最も代表的な測定法は、面接を使った方法です。
専門のトレーニングを受けた監修者によるインタビュー形式で、過去の養育者との関係を1時間ほどの面接の中で聞き、それを元にアタッチメントのタイプを評定します。
 もう一つは、質問紙法です。いくつかの種類がありますが、代表的なものでは、現在の人間関係についての質問項目に答えてもらったものを得点化します。番組では、その得点の大小をもとに、便宜的に3つのタイプに分類しました。出演者の皆さんに、同級生や職場の同僚など、日ごろの人間関係のつくり方をイメージしてもらい、9問の質問に答えてもらいました。

質問項目
 正式には、父親・母親・恋人(配偶者)といった「特定の他者」について、それぞれ9項目の質問に回答してもらい、評定します。
いずれの方法も専門家による監修が必要です。質問紙法について詳しい情報を知りたい方は、こちらの論文を参照してください。

「アダルト・アタッチメント・スタイル尺度(ECR-RS)日本語版の妥当性評価」
(2016.古村・村上・戸田)
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