NHK放送文化研究所

2021年メディア調査

スマホのヘビーユーザーは何をしている?

街なかで、信号待ちやエスカレーターに乗る間などのわずかな時間に、手元のスマートフォンで何かしている人を見かけます。スキマ時間ができるたびにスマートフォンを利用する、その時間が積もり積もると、どのくらいになるのでしょうか。

「メディア利用の生活時間調査」では、「スマートフォン・携帯電話」(以下、両方をあわせ、"スマホ"と表記*)の1日の利用時間は、1時間18分でした。この数字は全体の平均で、スマホを利用していない人は「0分」として算出しています。
ちなみに、この調査では64%の人が調査日にスマホを利用していました。

  • *スマートフォン・携帯電話のいずれかを利用した時間(月曜日)。
    全体のうちスマートフォン利用者は81.7%、スマートフォン以外の携帯電話利用者は14.1%。
    スマートフォン・携帯電話の両方の利用者3.2%をそれぞれに含む。
図1 1日のスマホ利用時間 (全体 月曜)

図1は、1日あたりのスマホの利用時間別にみたグラフです。
「1時間以下」が29%で最も多い一方で、「5時間超」が全体の5%でした。一体どのような人たちなのでしょうか。この「1日のスマホ利用時間が5時間超」の人たちを、このコラムでは"ヘビーユーザー"と呼ぶことにして、もう少しくわしくみていきたいと思います。

図2 スマホのヘビーユーザー(1日の利用時間が5時間超) 年層別構成(月曜 125人)

図2は、ヘビーユーザーの年層別の割合です。
大半が若年層かと思いきや、10代から50代までの各年代がそれぞれ1~2割程度を占めています。
男女比はほぼ半々でした。
また、ヘビーユーザーの6割以上が仕事をしており、職業別では、販売職・サービス職、事務職・技術職、そして、学生がそれぞれ2割程度を占めていました。学生や、特定の職業の人たちに偏っているというわけではなさそうです。
では、この人たちは、いつスマホを使っているのでしょうか。

図3 時刻別のスマホ利用 1日の推移
(スマホ利用者 1日の利用時間が5時間超 / 5時間以下 30分ごとの平均行為者率 月曜)

図3は、スマホ利用者を、1日の利用時間で「5時間超」と「5時間以下」の2グループに分け、スマホを使っている人の割合(行為者率)を時刻別(30分ごと)に表したグラフです。
早朝の数時間を除くと、両者の行為者率には開きがあります。
「5時間以下」のグループでは、日中の時間帯の行為者率は、ほぼ横ばいです。
一方、ヘビーユーザーの行為者率は、朝から夜にかけて増加する傾向です。一番のピークは21時台で、66%でした。
朝起きてから夜寝るまで、ヘビーユーザーが1日を通してスマホをさわっている様子も想像できます。
では、スマホで何をしているのでしょうか。

図4 スマホ利用 行動別の時間量
(スマホ利用者全体 / 1日の利用時間別 全員平均時間の積み上げ 月曜)

図4は、スマホでの具体的な行動を利用時間別にみたものです。**
ヘビーユーザーは、「SNS」や「動画視聴」など、ほとんどの項目で利用時間がスマホ利用者全体と比べて長く、とくに「SNS」は2時間49分、「動画視聴」は2時間33分と2時間を超えています。これらの行動がスマホ利用時間の長さを押し上げているのではないかと考えられます。さらに「ゲーム」は1時間40分、「音楽」も59分で、いろいろな目的でスマホを駆使していることがわかります。
スマホのヘビーユーザーが、ほんのわずかな時間にもスマホを使うとしたら、それは生活を楽しい時間で埋めるためかもしれません。

  • **同時に複数の行動をする場合があるため、行動ごとの平均時間を単純に足し上げると、スマホ自体の平均利用時間を超える。

(伊藤 文 研究員)