NHK放送文化研究所

2021年メディア調査

スマホの利用時間は、1日にどのくらい?

スマートフォンを自分が1日にどれくらい使っているか、あなたは考えてみたことがありますか?
朝起きて布団の中で、移動中に、食事をしながら、テレビを見ながら、眠る直前まで布団の中で・・・、使う場面はいろいろありますが、その時間を合計したらどのくらいになりそうでしょうか。

2021年の「メディア利用の生活時間調査」では、「スマートフォン・携帯電話」*の利用時間は、全体で1日あたり平均1時間18分という結果でした。

  • *スマートフォン、携帯電話のいずれかを利用した時間を調査した。
    全体のうちスマートフォン利用者は81.7%、スマートフォン以外の携帯電話利用者は14.1%。
    スマートフォン・携帯電話の両方の利用者3.2%をそれぞれに含む。

スマートフォンや携帯電話は、SNS、ニュース、検索、動画、ゲーム、メールなど、いろいろなことに使えるので、ごく短い時間の利用も含めて、もっと長い時間使っている実感がある方もいらっしゃるかもしれません。
これは10歳以上の人たち全体の結果で、男女年層別にみると様相が異なります。

図1 「スマートフォン・携帯電話」の利用時間
(全員平均時間 全体・男女年層別 月曜)

20代は男女とも3時間半近く使っています。
20代以上では、年層が上がるほど、利用時間が短くなっていきますが、男女30代で2時間以上、男女50代でも1時間以上利用しています。

この調査では、「スマートフォン・携帯電話」の利用を、自宅外と自宅内で分けて集計しています。

図2 「スマートフォン・携帯電話」の利用時間
(自宅外 / 自宅内 全員平均時間 全体・男女年層別 月曜)

全体では1時間18分のうち、自宅外27分に対し、自宅内51分と、自宅内での利用時間のほうが長いという結果でした。

20代は、男女それぞれ、自宅外の利用が1時間13分。これに対し自宅内は、男性2時間13分、女性2時間15分と、いずれも自宅外での利用を1時間上回っています。
自宅の内外で比べれば、よく使っているのは家の中ということがわかりました。

携帯電話が普及しはじめたころは、通話やメールのやりとりを外出先でできて便利だと感じたものですが、スマートフォンはコミュニケーションや情報収集を効率化しただけでなく、エンターテインメントを提供してくれる最も身近なツールとして、家の中で楽しんだり、くつろいだりする時間に欠かせないものになっているようです。
「モバイル」という語に象徴される、持ち運べる強みは、リビングから自室、浴室など、むしろ自宅内での移動で発揮されているのかもしれません。

それぞれの層で、「スマートフォン・携帯電話」をどのように使って、こうした時間量に達しているのか、くわしくは「放送研究と調査」2022年7月号をご覧ください。

(伊藤 文 研究員)