家事

2020年調査

子育て世代、男女の家事時間はどう違う?

最近、抱っこ紐に小さな子どもを抱いて保育園に連れていくお父さんの姿を見かけることが増えたと思いませんか?
夫婦で家事を分担する意識が高まっていますが、子育て世代では、いったいどのくらい家事に時間を割いているのでしょうか。

男女30・40代について、ライフステージ別に家事時間をみてみました(図1)。

すると、小学校入学前の小さな子どもがいる女性で、家事時間が9時間37分と、非常に長くなっています。なかでも、子どもの世話にかける時間が7時間11分と、多くを占めていることがわかりました。

図1 ライフステージ別 家事時間(男女30・40代 平日)
図1 ライフステージ別 家事時間(男女30・40代 平日)図1 ライフステージ別 家事時間(男女30・40代 平日)
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※〔 〕内は家事時間。それぞれの項目が重複している時間があるため、項目別の合計より少ないことがある。

男性はというと、女性と同じく小学校入学前の子どもがいる人で、もっとも家事時間が長くなっています。とはいえ、長いといっても1時間44分に過ぎず、女性とは歴然とした差があります。

もちろん男性も楽をしているわけではありません。この30・40代の男性はまさに働き盛り。1日10時間を超えて働く人の割合が、3割を超えています。

それでは、男性と女性、どちらのほうが働いていると言えるのでしょう。一概には比べられませんが、試しに家事と仕事を合わせた、1日の労働時間を出してみました(図2)。

図2 勤務形態別 仕事時間・家事時間(男女30・40代 平日)
図2 勤務形態別 仕事時間・家事時間(男女30・40代 平日)図2 勤務形態別 仕事時間・家事時間(男女30・40代 平日)
図2 拡大
※〔 〕内は家事時間と仕事時間の合計

30・40代の女性には、フルタイムから専業主婦まで様々な働き方の人がいます。
働く時間が少ない人ほど家事時間が長くなりますが、今回のデータでは家事と仕事を足したトータルの労働時間は、いずれの働き方でもほとんど変わらないことがわかりました。1日に10時間強、労働時間に充てているということです。

一方、男性はほぼ8割がフルタイムで働いています。8時間43分も仕事に充てているため、家事に割く時間が短くならざるを得ないことがみてとれます。1日の労働時間は9時間42分でした。
(男性の仕事と家事の合計9時間42分と、女性のフルタイム・パート・主婦の仕事と家事の合計時間には、いずれも統計的な差はありません。)

仕事と家事では、もちろんその内容は異なります。しかし、時間量という点だけでみると、女性も男性も同じくらい働いているといえるのではないでしょうか。

仕事や家事にどれだけ時間を割きたいのか、価値観は人それぞれです。
今後、働き方や男女の役割意識が変わっていくことで、男性も女性も、自分の望む時間の使い方ができる社会に近づいていくのではないかと、希望を持ちつつ予想しています。

(渡辺洋子 研究員)

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