社会や政治に関する世論調査

若年層をひきつけた『改革』のメッセージ

~第44回衆議院選挙世論調査から~

9月11日におこなわれた第44回衆議院選挙は、郵政民営化の必要性を前面に押し出して選挙戦に臨んだ自民党が、解散時の議席を大幅に上回る296議席を獲得して圧勝しました。有権者の関心も高く、投票率は、現在の選挙制度下では最高の67.51%を記録しました。

NHKでは、今回の選挙にあたって、有権者の選挙に対する関心や投票意向を把握するため、投票の3週前から1週おきに、計3回の世論調査をおこなったほか、投票の1週間後には、定例の政治意識調査をおこないました。これらの調査結果から、今回の選挙を特徴付ける傾向をいくつか読み取ることができます。

中でも大きな特徴は、若い年齢層で、選挙への関心や投票意欲が高まったことです。一般的に20・30代は、他の年層に比べると政治や選挙との関わりが薄いと指摘されています。しかし今回は、3週前の調査時点で、「選挙に(非常に+ある程度)関心がある」人が20・30代男性で79%、「投票に必ず行く」が 45%に達するなど、前回の選挙での同時期調査に比べると、関心も意欲も高くなっていました。さらに、この年層での自民党支持率が上昇していることもわかりました。若年有権者の関心が高まり、同時に若い人たちの中で、自民党の存在感がこれまでより増していたことが調査結果からうかがえます。

また、選挙後の調査で、自民党が議席を伸ばした主な要因としては「ほかの政党に魅力がなかったから」が36%、ついで「小泉総理大臣の行動や主張がわかりやすかったから」が32%でした。また民主党が議席を減らした主な要因については「民主党が重視した年金や少子化問題が明確な争点にならなかったから」が 40%と、最も多くなっています。自民党の「争点設定」の成功と、郵政民営化問題に論点を絞った「主張のわかりやすさ」が、今回の自民党圧勝の要因としてとらえられていることがわかります。

専任研究員 原美和子/編成世論 小林利行