調査手法の研究

郵送調査の実施方法の検討(2)

~記入状況と調査日程~

2008年と2010年に実施した郵送法の実験調査を元に、郵送調査の実施方法の検討を行い、3回に分けて報告を行う。

2回目の本号では、まず、2010年の郵送調査の記入状況について検討した。郵送調査の場合には、調査相手が記入を行うときの自由度の高さが回答に影響を及ぼす可能性がある場合があるため、記入状況の把握は重要である。

また、2008年と2010年の郵送調査の日程の違いと回収状況から、どのような調査日程を設定すれば、回収が早く高い有効率が得られるかを検討した。

記入状況の検討を行った結果、次のようなことがわかった。①調査相手は、必ずしも、記入した調査用紙をすぐ送らず、督促や締切によって送付が行われることがあること。②調査相手によっては、調査の回答方法について、よく理解しないで、自分の意見ではなく、家族と相談した意見を記入することがあること。③あまり深く考えないで簡単に答える調査相手もいる一方で、ひとつひとつの質問に時間をかけ、調査を負担に感じる調査相手がいること。④調査員がいないため、聞きにくい質問を尋ねやすいメリットがあり本音を聞きだしやすいのがメリットといわれている。しかし、そのような質問を避けて回答しない人もいること。調査相手に正しい方法で回答してもらうためには、このような記入の状況に基づいて、調査日程の策定や、調査材料や調査用紙の作成を行っていく必要がある。

郵送調査の調査日程は、事前に協力依頼状を発送し、その後、調査用紙と2回の督促状を送る。調査用紙と各督促状では、それぞれ締め切り日を示す。今回の分析から、次のような日程設計を提案した。①調査用紙に示す締め切り日は、調査用紙発送から、土、日を2回はさんだ月曜日。②督促状に示す締め切り日は、発送からあまり間をおかないほうがよい。ただし、最低1週間は空ける。③督促状到着から締め切り日までの間に、記入の多い土、日曜日をはさむ。④督促は、その前の郵便物で示した締め切り日からあまり間をおかないように送る。なお、2回の督促は、有効率を上げるためには必要なことであるが、郵便物が何回もくることによって、調査相手をせきたてることになるかもしれない。調査相手に調査への理解を図り、調査に協力しようという気持ちを持ってもらうことが重要である。

世論調査部(調査システム) 小野寺典子