生活時間調査

テレビは他のメディア以上に“リラックス”

~生活時間調査「テレビと気分」から~

「テレビと気分」調査は、「生活行動」と「気分」を生活時間調査の方式で初めて同時に調査したもので、両者の直接的な関連を明らかにしようと試みたものです。本稿では、特にテレビについて視聴時の気分・状態や、時間帯や男女年層による特徴を詳細に分析しました。

今回の調査では、“忙しい”“リラックス”“楽しい”“集中”などテレビ視聴と関連が深いと想定した6項目の気分を設定しました。テレビは、1日に全体の 9割近くが視聴している日常的行動ですが、その視聴時の“気分”で最も多いのは“リラックス”で、月曜1時間36分、日曜2時間9分と、視聴時間のおよそ半分を占めています。このほか“忙しい”気分の視聴が月曜21分、日曜が14分、“楽しい”気分の視聴が月曜19分、日曜26分などとなっています。男女年層別にみると、“忙しい”は女30~50代、“楽しい”は女40・50代で多く、大まかにいって男性のテレビ視聴は“リラックス”の割合が高い一方で、女性は視聴時にさまざまな気分を感じているといえます。1日の流れでみると、“忙しい”視聴は朝(特に月曜)、“リラックス”視聴は夜にそれぞれピークがあり、特に夜間の“リラックス”視聴のピーク時刻は、男女年層や曜日によって違いがあることもわかりました。

一方で、ビデオ・DVDや雑誌・マンガ・本、インターネットなどは、“リラックス”と比べて“楽しい”や“集中”の割合が高く、テレビより多様な気分で利用されている特徴があります。テレビがいかに生活に溶け込み、“リラックス”と相性がよいメディアか浮き彫りになってきます。

このほか、たとえば日曜の家事の気分をみると、女性は“忙しい”の割合が高いのに対し、男性は“リラックス”“楽しい”の割合が高いなど、同じ行動でも男女で向き合い方が異なる様子がうかがえ、男女の生活時間の構造の違いと気分との関連性についても考察しています。

世論調査部(視聴者調査)
中野佐知子
小林  利行
諸藤  絵美