生活時間調査

調査研究ノート

「回数」と「持続時間」でみるメディア利用

~生活時間の新たな分析の試み~

生活時間調査の分析では、行為者率や時間量のほか、1日あたりの行動の「回数」とその「持続時間」という指標が考えられます。2005年国民生活時間調査、および、IT時代の生活時間調査・2006の日曜日のデータを使って、テレビ・新聞などメディア利用行動と、パソコン・携帯電話などIT関連行動の「回数」と「持続時間」を実際に算出してみて、その行動特性を新しい視点でみてみました。

まず、メディア利用についてみると、テレビは、行為者の約半数が1日「3回以上」見ており、持続時間も、およそ3割が1回あたり「2時間15分以上」見ていて、他のメディアと比べて回数・持続時間とも突出して多くなっています。まったく逆のパタンが新聞で、行為者の約8割が1日「1回」、半数以上が1回あたり「30分以下」と、回数・持続時間とも少ないメディアです。

次にIT関連行動をみると、概して、メディア利用よりも1日「1回」という人が少なめです。特に携帯電話は、「2回」がおよそ3割、「3回以上」が 1~2割を占め、1日の中で細切れに使われている様子が表れています。また持続時間も、携帯電話やメールは半数以上が「15分」と、極めて短い時間になっています。一方でパソコン・ウェブは、「1時間以上」の利用が2割を占め、ある程度まとまって時間を費やす行動といえます。

専任研究員 中野 佐知子