生活時間調査

日本人の生活時間・2005

~睡眠の減少が止まり,自由時間の増加に歯止め~

1960年から5年ごとに実施している国民生活時間調査の最新結果がまとまりましたので、報告します。

今回の調査は、2005年10月に2週間、10歳以上の国民12,600人に対して実施しました。有効な回答のあった人は7,718人(有効率61.3%)です。今回の調査の主な結果は、以下のとおりです。

  1. 有職者の平日の仕事時間は7時間31分と、2000年調査に続いて長時間のままです。また、仕事をしている人の率を時刻別にみると午前5時~8時、午後 10時~10時30分といった早朝と夜遅い時間帯で増え、コアタイムである日中で減少しています。つまり、仕事をする時間帯の分散化がみられます。
  2. 1970年から減少し続けてきた平日の成人女性の家事時間は、今回4時間27分で減少が止まりました。これは減少が続いていた女20代で減少が止まったことなどによるものです。一方で平日の成人男性の家事時間は46分ですが、2000年より増加し、男60代以上では平日に家事をする人が50%を超えました。
  3. 2002年に公立学校で完全週5日制が実施されたため、土曜日の児童・生徒・学生の学業時間が大幅に減ったほか、国民全体でみても睡眠時間やテレビ視聴時間が増えるなど、土曜日の生活時間が大きく変化しました。
  4. 睡眠時間は土曜で増加し、長期的に減少が続いていた平日と日曜でも減少が止まりました(平日7時間22分、土曜7時間47分、日曜8時間14分)。
  5. スポーツや行楽・散策、趣味・娯楽・教養といったレジャー活動は、平日は60代以上で楽しむ人が多くなっています。一方で、今回新たに調査した自由行動としてのインターネットをする人は平日13%で、10~30代が中心となっています。
  6. テレビの視聴時間は平日3時間27分と長時間視聴が続いていますが、男40代以下、女10代では2時間30分に満たないのに対し、男女70歳以上では5時間を超え、年層差が広がっています。また、新聞を読む人やラジオを聞く人の高齢化も進行しています。

専任研究員 吉田理恵/研究員 中野佐知子/研究員 渡辺洋子