現代人の言語行動における“配慮表現”
~「言語行動に関する調査」から~
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「配慮表現」(対人関係を良好に保つための表現)をどのように使うか、どのように感じるのかは、すべての日本人にとって一様ではなく、いろいろな違いがあるものと想像される。いくつかの配慮表現を取り上げて試論的に調査をおこなってみたところ(1,338人回答)、例として以下のような変異が見られた。
▼若い年代になるほど、「おかげさまで」という言い方を支持する割合が小さくなる。
▼メールの冒頭で「お疲れさまです」と書くことは若い人に特に支持されており、高齢層との年代差は非常に大きい。
▼なにかを渡すときに「つまらないものですが」と言うことについては、女性では「おかしい」と感じる人が多い。
▼「コップを割ってしまったんですが」といった「自責的表現」は、女性のほうが支持率が高い。
▼最初から断るつもりで「考えておきます」と言うことは関西で多いという説があるが、このことはデータからは裏付けられない。