ことばの研究

美男子(びだんし)』が多いのはどの地域?

~ことばのゆれ調査(平成23年1月)から①~

2011(平成23)年1月におこなわれた「ことばのゆれ調査」の結果のうち「漢語の字音読み」にかかわるもの(「願望、助言、美男子、嚥下、現存、寄贈、固執、早急、面目」)について取り上げ、解説を加えながら報告する。

「美男子」ということばは「ビナンシ」と読まれたり「ビダンシ」と読まれたりする。このように、同じもの・同じことを言い表すのに複数の言い方が共存していることを「ことばのゆれ」と呼ぶ。「ゆれ」の中には、年代差や地域差が観察されるものも多い。たとえば「美男子」の読み方には、地域によって偏りがあることが、今回の調査から明らかになった。

本稿では、一漢字に複数ある字音がどのような過程で「一元化」の道をたどってゆくのかを探るために、調査対象語を「漢音読みに向かいつつあるもの」「呉音読みに向かいつつあるもの」「慣用音読みが(ある程度)定着しているもの」の3つに分け、また言語変化の一つの方向性である「なるべく例外を少なくしてゆく動き」という観点を導入したうえで、考察を進める。

メディア研究部(放送用語) 塩田雄大