ことばの研究

全国アナウンサー音声調査の結果報告

~アクセント辞典改訂専門委員会(第4回)から~

アクセント辞典改訂専門委員会(第4回)の概要を報告する。

去年10月に全国のアナウンサーを対象におこなった「アクセント音声調査」の分析結果と、アクセント変化の傾向について紹介した。

第1回のアクセント調査(報告式)で指摘があった1万2千語の中から、指摘件数の多かった3021語(アクセント型で6500型)を抽出して、音声調査の項目を作成した。全体を20グループで分担することとし、1グループあたりおおよそ325型を担当として割り振った。

  • ◎各グループ内の構成:アナウンサーを年代ごとに、若年層(23歳~ 34歳)、中年層(35歳~44歳)、高年層(45歳以上)と3グループに分けた。そして、各グループ内の年代分布ができるだけ均等になるよう配慮しながら20グループを構成した。
  • ◎調査期間: 2009年10月5日~11月13日
  • ◎回答者:全国のNHK アナウンサー501人のうち、471 人(回答率95%)
  • ◎回答方法:PCによる音声聞き取り方式(NHK局内イントラネット使用)

6500項目を事前に録音し、音声を聞く方式。

各アナウンサーは、○(放送で使うのに望ましい)/×(放送で使うのに望ましくない)/☆(このことばを口に出して言ったことがない)のいずれかを答える。

今回、調査対象語を類型別に考察するための方法として、秋永一枝編『新明解日本語アクセント辞典』に掲載されている「アクセント習得法則」の分類を便宜的に用いることにした。今回の調査対象語である3021語のうち、『新明解日本語アクセント辞典』に掲載されていて「アクセント習得法則」番号の付されているものは、2347語確認できた。今回はこの2347語を対象にして、調査結果の全体傾向を概観してみた。

その結果、外来語の平板化や、用言(複合動詞)の中高化など、一般的に言われている傾向があらためて数値上でも確認された。

(メディア研究部・放送用語 塩田 雄大)