ことばの研究

漢字に関する現代人の意識

~「日本人と漢字に関する意識調査」から~

2004年には、子どもの名付けに使える漢字の数が500字近く増やされました。また、最近では「常用漢字表」の内容・ありかたを見直そう、という動きも活発になってきています。こういったことの背景には、「漢字」に対する日本人の考え方の変化があるはずです。

今回の論文では、日本で漢字がどのように扱われてきたか、という流れを見たあと、漢字に関する意識調査の結果を報告します。 このたび人名用の漢字が改定されるのにあたって、そのきっかけの1つに、民放のあるテレビ番組があったことを紹介します。また調査結果からは、

  • 現在マスコミで使われている漢字は「少ない」と感じている人が多いこと
  • テレビの字幕スーパーでは正式な漢字(たとえば「吉沢」ではなく「吉澤」)で書くべきだ、と考える人が主流であること
  • 子どもの名付けにあたって若年層では「だれにでも読めること・だれにでも覚えやすいこと」という要因があまり重視されていないこと

などといったことが明らかになりました。

(メディア研究部・放送用語 塩田 雄大)