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米FAAが映像コンテンツ会社に小型無人飛行機での撮影を許可

連邦航空局(FAA)は9月25日,映像コンテンツ会社6社に対し,遠隔操作で飛行する小型の無人飛行機の使用を一部許可した。

ドローンと呼ばれるこうした無人機は,カメラの搭載により低コストで空撮が可能な機器として注目され,ドラマや映画,ドキュメンタリーやニュースにも使われている。しかしアメリカでは,その商業利用について多くの規制があり,個別の利用申請に対し例外的に使用を認める審査が行われている。

6社の無人機撮影には,夜間飛行禁止,飛行高度400フィート(約120m)以下,操縦者が自家用パイロットの免許を持つことなどが条件とされている。アンソニー・フォックス運輸長官は今回の許可について,「無人機の商業利用拡大に向けた画期的な出来事」と述べた。

一方,ニュース報道で無人機から撮影した映像を放送するケースが増え,CNNが竜巻の被害状況を,ウォール・ストリート・ジャーナルが電子版で香港の民主派によるデモの様子を伝えるなどしていて,「ドローン・ジャーナリズム」とも呼ばれている。従来は無人機の商業利用規制のため,アメリカの報道各社は無人機を利用した報道を自粛してきたが,2014年に入って大手メディア企業16 社は,無人機の利用制限は報道の自由を奪うものとして,FAAへの批判を強めていた。

また市民の間では,無人機の使用で,人口密集地での墜落事故やプライバシーの侵害を懸念する反対の声も上がっており,FAAはこうした様々な要望を踏まえ,2015年9月を目途に新たな規制を検討している。

松本裕美