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在京テレビ6社の送信所 東京スカイツリーに移転

NHK,日本テレビ,テレビ朝日,TBSテレビ,テレビ東京,フジテレビの在京テレビ6社は,5月31日午前9時をもって,地上デジタル放送の送信所を東京都港区の東京タワーから墨田区の東京スカイツリーに移転し,既に移転済みのTOKYO MXを合わせ在京テレビ7社が東京スカイツリーから送信することとなった。

約600mの高さに設置する送信アンテナから送信することにより,固定受信の受信環境改善,緊急災害時に欠かせないワンセグ放送の安定受信地域の大幅拡大を図ったもの。当初放送局側は,移転により送信地点は変わるものの,都心部では放送電波が十分強く,また遠方では受信アンテナの向きが変わらないため,基本的に受信者のアンテナ方向調整は不要と想定し,東京スカイツリー竣工後約1年の試験期間を経て,今年1月頃の移転を予定していた。

しかし,試験放送開始後,受信対策を要する世帯がかなり存在する可能性が判明したため,当初の移転予定を延期し,東京スカイツリーから実際に送信して受信者に確認を求める受信確認テストを繰り返し実施して,受信障害対策を行ってきた。今回,対応の見とおしがついたとして移転に踏み切ったが,移転後もなお相当数の受信障害の連絡があり,対策を急ぎ受信者保護に努めた。

今後,地デジ難視対策衛星放送を利用する難視世帯のうち関東広域圏での難視解消の進展が期待されるところだ。

山田 潔